会見する呂尚基報道官=4日、ソウル(聯合ニュース)
会見する呂尚基報道官=4日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国統一部の呂尚基(ヨ・サンギ)報道官は4日の定例会見で、北朝鮮が問題視している韓国国内の北朝鮮脱出住民(脱北者)団体による北朝鮮に向けた体制非難のビラ散布について、「(南北)境界地域の国民の生命と財産に危険を招く行為は中止されるべきだ」とし、強制的にやめさせるための法案を検討中だと明らかにした。 呂氏は、政府は北朝鮮へのビラ散布が境界地域を緊張させる要素になった事例に注目し、たびたび散布をやめさせるための措置を取ってきたとしながら、「散布されたビラの大半は国内で見つかっており、境界地域の環境汚染、回収の負担などで地元住民の生活環境を悪化させている」と指摘した。 脱北者団体などが韓国から北朝鮮に飛ばすビラには北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)をあからさまに非難する内容が含まれ、北朝鮮はこれまでも強く反発してきた。 そうした中、金正恩氏の妹の金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長は4日に談話を発表し、ビラに不快感を示した上で、韓国当局が何らかの措置を取らない場合、2018年9月の南北首脳会談の際に締結した韓国との軍事合意を破棄する可能性もあると警告した。 呂氏は、北朝鮮が談話を出す前からビラに関する法整備を準備していたかどうかを問われると、「ビラは『板門店宣言』に関する事項だっただけに、宣言を履行する意味で政府がそれ以前から準備を進めていた」と答えた。ただ、法案の提出時期や具体的な内容については「総合的に検討中」と述べるにとどめた。18年4月に南北首脳が合意した板門店宣言には、「軍事境界線一帯で拡声器放送とビラ散布をはじめとする全ての敵対行為を中止し、その手段を撤廃する」と盛り込まれている。 政府は今後、民間団体の北朝鮮へのビラ散布に積極的に対応すると予想される。脱北者団体「自由北韓運動連合」が1950年6月の朝鮮戦争開戦70年に合わせたビラ散布を計画していることへの対策を問われると、呂氏は「関係機関と協議したい」と述べた。
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