韓国政府が新型コロナ治療薬・ワクチン開発への支援を本格化する(資料写真)=(聯合ニュース)
韓国政府が新型コロナ治療薬・ワクチン開発への支援を本格化する(資料写真)=(聯合ニュース)
【世宗聯合ニュース】韓国政府は1日に発表した「下半期の経済政策方向」で、新型コロナウイルスの治療薬とワクチンの早期開発に向けた取り組みを集中支援する方針を示した。また、韓国の感染症対策の手順と技法を「K防疫」モデルに体系化して国際標準化を進めるなど、防疫産業の本格的な育成に乗り出す。

 政府は感染症の治療薬とワクチンの開発から生産、発売まで、全プロセスを支援する。新型コロナウイルスの国産治療薬とワクチンの早期開発を目指し、月内に官民合同の支援団を立ち上げ、ロードマップ(行程表)策定に着手する計画だ。製薬のベンチャー企業がワクチン開発や臨床試験などに共同利用できるよう、実験・製造用の装置、施設も拡充する。

 また、新たな感染症に備え、血漿(けっしょう)製剤の研究開発(R&D)支援や規制緩和などをパッケージ化する。地方の2か所にワクチン実証支援センターを設け、生産施設の確保が難しい企業向けに臨床用試料を受託生産したり工程開発サービスを提供したりする。

 防疫の効率性を高めるために診断インフラの整備にも乗り出す。

 感染症の感染者と接触者の位置情報から行動歴を把握、管理するため、人工知能(AI)とビッグデータ技術を活用した疫学調査システムを構築して高度化を進める。重症患者の治療に用いる装置や防護用品の国産化、高度化に向けたR&Dも支援する。

 また、新型や変種の感染症対応を想定し、新型コロナの臨床・診療記録を整理した上で治療薬開発など研究用として研究者に開放する方針だ。新型感染症の診断キットの迅速な開発と生産の支援としては、優れた技術を持つ中小、ベンチャー企業に装置・施設などを提供する。

 こうした支援に必要な予算は第3次補正予算に盛り込む。

 政府はまた、世界で注目された韓国の新型コロナ対応を「K防疫」として体系化し、輸出の本格化に力を注ぐ。

 検査・判定、疫学・追跡、隔離・治療という手順と技法をK防疫モデルに体系化し、今月にも国際標準化に取り組む。官民の専門家による協議会で国際標準の案を具体化し、ISOなどの国際標準化機関に提案する計画だ。ドライブスルーやウオーキングスルー方式などの検査施設の運営システム、スマートフォンを利用した追跡システム、個人の衛生ルール、感染防止ガイドラインなどを対象とする予定。

 韓国企業が開発した体外診断機器と防疫機器に対する標準・性能実証、知的財産権の取得、海外販路の開拓などもバックアップする。

 K防疫の輸出拡大に向け、貿易協会や大韓貿易投資振興公社(KOTRA)を中心にK防疫物資のリストアップ、海外バイヤーとの引き合わせ、オンライン展示館の開設、現地販売を支援していく。


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