大韓航空機ハイジャック事件の被害者のイラスト。右が黄源さん(資料写真)=(聯合ニュース)
大韓航空機ハイジャック事件の被害者のイラスト。右が黄源さん(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】国連人権理事会傘下の「恣意(しい)的拘禁に関する作業部会」(WGAD)は、1969年に発生した大韓航空機YS―11ハイジャック事件を巡り、北朝鮮が被害者を「恣意的に拘禁」しているとの判断を下したことが、4日までに分かった。  韓国の人権団体「転換期正義ワーキンググループ(TJWG)」によると、WGADは先ごろホームページで公開した決定文で「北朝鮮工作員の大韓航空機ハイジャックによる(被害者の)黄源(ファン・ウォン)さんの身体の自由剥奪は法的根拠や正当性がない」とし、「北朝鮮は法的根拠なく黄さんを拘禁し、世界人権宣言第9条と自由権規約第9条1項に違反した」と指摘した。 黄さんは69年12月11日に北朝鮮の工作員によりハイジャックされた江原道・江陵発、ソウル・金浦行きの大韓航空機の乗客の一人だ。 北朝鮮は国際社会の非難が強まったことを受けて70年2月に乗客乗員50人のうち39人を送還した。黄源さんを含む11人は戻っておらず、生死も確認されていない。 黄さんの息子で被害者家族の会の代表を務める黄仁哲(ファン・インチョル)さんは、昨年5月に父親の拉致を「恣意的拘禁」と認めてほしいとWGADに陳情書を提出。これに対し、北朝鮮は3カ月後にWGADに送った文書で「わが国には自由意志に反して強制拘禁された人はいない」と主張した。 黄仁哲さんは、今回のWGADの判断について「父を含む11人の送還のために努力して20年になる。私が間違っていない、無駄なことをしていないと国連が認めてくれたことに小さな慰めを得た」と述べた。
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