新型コロナウイルス感染拡大の影響で閑散とした繁華街(資料写真)=(聯合ニュース)
新型コロナウイルス感染拡大の影響で閑散とした繁華街(資料写真)=(聯合ニュース)
【世宗聯合ニュース】韓国政府は4日、臨時閣議を開き、新型コロナウイルス感染拡大の影響を最小限に抑制して経済と国民生活の早期立て直しを図るために11兆7000億ウォン(約1兆600億円)の補正予算案を確定した。5日に国会に提出し、成立すれば2か月以内に同予算の75%以上を執行する計画だ。

 補正予算案の編成は6年連続で、今回は2013年(17兆3000億ウォン)以来の大きさ。文在寅(ムン・ジェイン)政権では4回目の編成で、最大規模となる。感染症対策の補正予算としても15年の中東呼吸器症候群(MERS)対策を上回り過去最大だ。防疫体系を補強するだけでなく、成長率が10年ぶり低水準となった昨年に引き続き低迷が懸念される韓国経済のテコ入れに巨額を投じる。 

 洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相兼企画財政部長官は「被害の克服を支援し経済のモメンタム(勢い)を取り戻す上で重要と見なして講じた。冷え込んだ消費を下支えできる対策を最大限盛り込んだ」と説明した。

 補正予算案は、歳出の拡大が8兆5000億ウォン、不足する税収を補てんするための歳入の補正が3兆2000億ウォン。

 歳出拡大は▼防疫体系の補強・高度化(2兆3000億ウォン)▼新型コロナウイルス感染拡大の影響で被害を受けた中小企業・小規模事業者に対する立て直し支援(2兆4000億ウォン)▼停滞した地域経済の回復の支援(8000億ウォン)▼国民生活と雇用安定の支援(3000億ウォン)――などからなる。消費をはじめとする内需回復に全体の7割以上を投じる。

 歳入面は、予想を下回った昨年の実質国内総生産(GDP)成長率や新型コロナウイルス対策の税制支援を勘案して補正した。

 補正予算の財源は韓国銀行(中央銀行)の昨年の剰余金や基金の余裕資金を優先的に充て、残りの10兆3000億ウォンは赤字国債の発行で調達する。現政権では最大となる赤字国債発行で、対GDP比の債務残高は41.2%に上がる見通し。

 今回の補正予算により、政府と公共部門の新型コロナウイルス対策の景気テコ入れパッケージは総額31兆6000億ウォンに上る。


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