【ソウル聯合ニュース】米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の発射台が南部・慶尚北道星州郡内の敷地に配備された2基とは別に4基が非公開で韓国に運び込まれていた問題を巡り、青瓦台(大統領府)の尹永燦(ユン・ヨンチャン)国民疎通首席秘書官は31日の記者会見で、国防部が追加搬入に関する内容を青瓦台への報告文書から意図的に削除していたとする調査結果を明らかにした。

 尹氏は、国防部の実務者が最初に作成した報告書には発射台6基を保管している旨が記されていたが、何人かの手を経てそれが削除された事実を確認したと伝えた。この部分については、前日に調査を受けた国防部政策室長をはじめとする軍関係者がいずれも認めているという。

 尹氏は「最終的に鄭義溶(チョン・ウィヨン)青瓦台国家安保室長に提出された報告書には『6基』『4基』『追加配備』といった文言が全て削除されていた」と説明した。

 4基が追加で運び込まれたことを青瓦台が把握した経緯について尹氏は、26日に鄭氏が国防部の政策室長から報告を受けた際、釈然としない部分があり、国家安保室次長が報告者の1人を呼んで細かい部分を確認したところ4基の追加配備の事実を初めて知ったと説明。鄭氏は28日の韓民求(ハン・ミング)国防部長官との昼食の席で追加搬入について尋ねたが、韓氏は「そんなことがあったのですか」と問い返してきたという。

 鄭氏から報告を受けた文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、30日に韓氏に自ら電話をかけ、4基が運び込まれた事実を最終的に確認。搬入の経緯などを徹底的に調査するよう鄭氏らに指示した。

 尹氏は、報告を受けた文大統領が「衝撃的だ」と述べたことについて「国と国民の運命に大きな影響を与えるTHAADの配備が国民の知らないうちに進められ、また新政権が韓米首脳会談を控えている状況にもかかわらず国防部がこうしたことを意図的に報告しなかったことに対する発言だ」と説明した。

 これと関連し、青瓦台の高官は「国防部の報告書から追加搬入を察知するのは難しかった」と述べ、同部が報告書から関連内容を削除した経緯についても調査中だと伝えた。


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