本部町健堅で行われている遺骨発掘作業=10日、本部(聯合ニュース)
本部町健堅で行われている遺骨発掘作業=10日、本部(聯合ニュース)
【本部聯合ニュース】日本による植民地時代に軍属として動員され、沖縄県の本部町健堅で戦死した朝鮮半島出身者の遺骨発掘作業が同地で実施されている。作業に参加している韓国行政安全部の黄棟俊(ファン・ドンジュン)強制動員犠牲者遺骨奉還課長は10日、「遺骨が見つかれば、日本に直ちに協力を要請する」との方針を示した。

 韓国の市民団体「平和の踏み石」と日本の「本部町健堅の遺骨を故郷に帰す会」「東アジア市民ネットワーク」などで作る共同実行委員会が進めている作業は9日から本格的に始まった。

 黄氏は遺骨が発見された場合、両国が共同で鑑識を実施し、情報を共有する必要があると強調した。

 1945年5月の米誌「LIFE(ライフ)」に掲載された14本の墓標の写真や住民の証言、旧日本軍関連記録から発掘作業が行われている場所か、その周辺に金萬斗(キム・マンドゥ、1921年生まれの慶尚南道出身)さんと明長模(ミョン・ジャンモ)さん(1918年生まれの全羅南道出身)の遺骨が埋葬されている可能性が高いとみられている。

 共同実行委員会は10日、発掘作業の範囲を拡大した。韓国側から参加した朴善周(パク・ソンジュ)忠北大名誉教授(考古美術学)は住民の証言に食い違いがあることや前日の発掘で現れた岩の形、航空写真の分析結果などから、同委員会が特定していた場所の外に遺骨が埋葬されている可能性があると説明した。

 一方、南太平洋キリバスのタラワに動員されて戦死した朝鮮半島出身者の遺骨が近く、韓国に送還される見通しだ。韓国政府は当初、来月に遺骨を送還する予定だったが、新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大などを踏まえ、4月末ごろに行う方向で調整している。送還される遺骨の身元はDNA検査で遺族が確認した。


Copyright 2020YONHAPNEWS. All rights reserved. 0