韓国はWTOの新交渉で「途上国」としての優遇を主張しないことを決めた(イラスト)=(聯合ニュース)
韓国はWTOの新交渉で「途上国」としての優遇を主張しないことを決めた(イラスト)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相兼企画財政部長官は25日、対外経済関係閣僚会議を主宰した後、「この先、世界貿易機関(WTO)交渉が行われる場合、途上国の特恵を主張しないことを決定した」と発表した。ただその前提として、「韓国の農業のセンシティブ分野は最大限保護できるよう、柔軟性をもって交渉する権利を保有・行使する」ことを掲げた。

 洪氏は「この意思決定の過程で、コメなどセンシティブ品目に対し別途の交渉権限を確認し、途上国の地位放棄でなく、未来の交渉に限り特恵を主張しないという点を明確にした」と説明した。

 政府によると、韓国が途上国恩恵を主張しないとしても次のWTO交渉から適用されるため、新たな交渉が妥結するまではすでに確保している恩恵が維持される。また、WTO多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)の農業交渉は長らく停滞しており、交渉が再開されて妥結に至るまで相当な時間がかかるとみられることから、今回の決定が農業分野に直ちに影響を及ぼすことはないと強調。将来の交渉に備える時間と余力も十分とした。

 韓国は1995年のWTO加盟にあたり、発展途上国と申告した。翌年、経済協力開発機構(OECD)の加盟を機に、農業と気候変動分野以外は途上国の恩恵を主張しないと宣言。これまで農業分野は関税と補助金の削減率、履行期間などで先進国に比べて恩恵を受けてきた。

 洪氏は今回の決定の背景として、このところWTO内で先進国だけでなく途上国も韓国の途上国恩恵を問題視していること、経済規模と国際社会でのステータスが韓国と近いか低い多くの国が途上国恩恵を今後主張しないと宣言したことを挙げた上で、「今、決定を先送りにしても、この先のWTO交渉で韓国に途上国恩恵を認める可能性はほぼない」と説明した。決定が遅くなるほど国際的な名分や交渉力が失われることにつながりかねないとの懸念も示した。

 一方、トランプ米大統領は7月26日、中国や韓国など「比較的発展した国」がWTOで発展途上国の扱いを認められているのは不公平だと指摘。90日以内にWTOで進展がみられなければ、米国は独自に途上国扱いをやめると警告した。


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