ヘミル学校を訪問した柳景仁副会長=23日、洪川(聯合ニュース)
ヘミル学校を訪問した柳景仁副会長=23日、洪川(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】「韓国で暮らす多文化家庭(国際結婚家庭や移民家庭)の子どもたちのために奨学事業を本格的に推進していく」――。 東京韓国商工会議所副会長を務める柳景仁(ユ・ギョンイン)G-Smatt Japan(東京・渋谷)代表は23日、聯合ニュースのインタビューで「在外同胞は居住国で多文化家庭の一員として暮らしながら、二重の言語と文化を知っているという長所を生かして主流社会で活躍している。多文化を恥ずかしがってはならない」と語った。 柳氏は商議所の役員と共に21、22の両日、韓国北東部の江原道・洪川にある多文化家庭の青少年のための学校、ヘミル学校を訪れた。「韓国で差別用語のように認識されている多文化に対するイメージを変える時がきた」と苦言を呈する。 東京韓国商工会議所は、多文化家庭の子どもたちを支援するため昨年、ヘミル学校と業務協約を締結し、今年初めに同校の生徒たちを日本に招き、進路探訪プログラムを実施した。 全校生を対象に講演を行った後、同校の状況などを把握した柳氏は「来年からはさらに多様なプログラムを準備し、生徒たちを日本に招こうと思う」と語った。 柳氏が2000年に立ち上げたG-Smatt Japanはデジタルディスプレー、LED(発光ダイオード)照明などを手掛け、年間売上高は400億ウォン(約37億円)に上る。取引先もソニー、三菱、日産、日本航空など日本屈指の大企業が多い。 日本は信用を重視し、取引先をなかなか変えない商慣習があるため市場参入が容易ではなかったと語る柳氏は、取引先の開拓の秘訣として「小さな注文をおろそかにしないこと」と強調した。 ある日本の企業が韓国語の名刺をいくつか注文したが、製作や発送の費用などを計算するとむしろ赤字になる恐れもあったにもかかわらず受注を断らなかった。むしろその企業に何度も赴き、希望通りに製作し納品した。その後、注文が少しずつ増え、取引を拡大していったという。 柳氏は「赤字でスタートした取引が後に規模が拡大し黒字になり、信用を築き上げ、紹介を受けた企業が増えたことで次第に事業を発展させることができた。最初から欲張っていたら今のような経営はできなかっただろう」と振り返る。 韓国で大学を卒業し、兵役を終え除隊後の1998年に日本に移住した柳氏は、2002年のサッカー・ワールドカップ(W杯)韓日大会を控え、日本での韓流ブームを目の当たりし、2000年に韓国語の看板・インテリアを手掛ける会社を設立した。 その後、コリアンタウンを中心に韓国人が運営する店舗が爆発的に増え、事業も順風満帆に見えたが、需要が限定的だったために限界を感じた。突破口として日本企業を対象としたマーケティングを展開し、事業分野の多角化も図った。 東京韓国青年商工会で活動した時期にはソウル郊外の児童養護施設でのボランティア活動を続けたという柳氏は、今は多文化家庭の子どもたちが夢を実現できるよう後押しする活動に力を注いでいる。 商工会議所の活動に熱心に取り組む理由を尋ねると、ボランティア活動が好きだからだと笑顔を見せた。ボランティア活動を通じて充実感を得ており、むしろ自身が助けられていると思うと語った。
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