テレビで中継された判決の模様を見守るソウル市民=29日、ソウル(聯合ニュース)
テレビで中継された判決の模様を見守るソウル市民=29日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国大法院(最高裁)は29日午後、長年の知人、崔順実(チェ・スンシル)被告と共謀してサムスングループなどから多額の賄賂を受け取ったとして収賄罪などに問われた前大統領、朴槿恵(パク・クネ)被告(67)の上告審で、懲役25年、罰金200億ウォン(約17億4000万円)とした二審判決を破棄し、審理をソウル高裁に差し戻した。また、朴被告側への贈賄罪などに問われ、二審で懲役2年6カ月、執行猶予4年の判決を受けたサムスングループ経営トップのサムスン電子副会長、李在鎔(イ・ジェヨン)被告(51)の判決も破棄し、高裁に差し戻すよう命じた。贈賄と認定した額が大幅に増えた。  大法院は、朴被告の一審、二審の担当裁判所がほかの罪と区別して判決を出すべき収賄罪を分離せず、法に違反したと判断した。 韓国の公職選挙法では、大統領などの公職者に適用された特定犯罪加重処罰法上の収賄罪はその他の罪と分離して宣告するよう規定されているが、朴被告の一審、二審判決は同規定から外れ、まとめて宣告された。 大法院の判断により、朴被告の差し戻し審では有罪が認められた収賄罪について、ほかに問われている職権乱用罪や強要罪などと区別して判決を言い渡す必要がある。分離して判決を出す場合、量刑は重くなる可能性が高い。 一方、大法院はこの日、サムスンが提供した賄賂の金額に関し、李在鎔被告に対する二審判決で無罪と見なした部分を新たに賄賂と認定した。 サムスンが崔被告側に提供した馬3頭について、所有権そのものを譲り渡したものとみて馬の購入額34億ウォンを賄賂と判断した。李被告の二審では馬の購入額ではなく馬の使用料の部分のみを賄賂と認定した。 大法院はあわせて、李被告の二審判決で賄賂と認定されなかった冬季スポーツ英才センターへの支援金16億ウォンも賄賂だとの判断を示した。サムスンには李被告への経営権承継という包括的な懸案が存在していたことから、対価関係が認められるとした。 李被告は一審で懲役5年の実刑判決を言い渡されたが、二審の執行猶予付き判決を受けて保釈された。差し戻し審で再び実刑判決が出される可能性がある。
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