ソウルで9日に会談した鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防部長官とエスパー米国防長官=(聯合ニュース)
ソウルで9日に会談した鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防部長官とエスパー米国防長官=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】米軍主導の韓米連合軍が持つ有事作戦統制権の韓国軍への移管に焦点を合わせた今年下半期の韓米合同軍事演習「韓米連合指揮所訓練」が11日から本格的に始まる。 韓国軍合同参謀本部によると、演習は同日から20日まで行われる。韓米は事前演習として5日から8日まで各種の局地的な挑発やテロ対応などを想定した危機管理参謀訓練(CMST)を実施した。 合同参謀本部は今回の演習について「有事作戦統制権の韓国軍への移管に備え、(韓国軍の)初期作戦運用能力(IOC)を検証し、確固たる軍事準備態勢の向上に重点を置き実施する」と説明した。 演習は朝鮮半島の戦時状況などを想定し1部と2部に分けて実施され、実際の兵力や装備を動かさない、コンピューター・シミュレーションによるウォーゲーム(指揮所演習)の形式で進行される。韓国軍合同参謀本部、韓国陸海空軍の作戦司令部、韓米連合軍司令部、在韓米軍司令部、米インド太平洋軍司令部などが参加するとみられる。 また、初めて韓国軍大将が司令官を、米軍大将が副司令官を務めることになる。崔秉赫(チェ・ビョンヒョク)韓米連合軍司令部副司令官(大将)が司令官として全体を指揮し、副司令官は在韓米軍のエイブラムス司令官が務める。 今回の演習について、「反撃」の部分が省略または縮小される可能性があるとの見方もあるが、韓国軍当局者は「以前の韓米演習のときと同様の防衛・反撃の内容が含まれている」と伝えた。 韓国軍当局は今年、韓国軍のIOC検証をはじめ20年の完全運用能力検証、21年の完全任務遂行能力検証を経て22年までに有事作戦統制権移管が可能だと期待している。 ただ、北朝鮮の核や弾道ミサイルの脅威を考慮すると有事作戦統制権移管の時期を予測するのは難しいとの見方も少なくない。 今回の演習の名称が「韓米連合指揮所訓練」に決まったことについて「事実上、名称が省略されたものだ」という異例の反応も出ている。 合同指揮所演習の「キー・リゾルブ」「乙支フリーダムガーディアン」、合同野外機動訓練「フォールイーグル」のように、これまで韓米の主な合同軍事演習には独自の名称がついていた。 韓米は昨年に南北首脳会談と米朝首脳会談が開かれてから外交的努力を軍事的に後押しするため、これら3大演習を段階的に廃止または縮小した。今年3月にキー・リゾルブに代わり実施された新たな演習には「19―1同盟」という名称がつけられた。 今回の演習の名称は「19―2同盟」が有力だったが、北朝鮮の反発や米朝非核化交渉に影響を与える可能性を考慮し、「同盟」を名称に含めないことが決まった。 一方、韓国軍は本格的な韓米合同軍事演習の開始を受け、北朝鮮の新たな武力示威に備えて警戒態勢を強化する方針だ。
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