韓国の対日貿易赤字は国交正常化後、50年以上続いている=(聯合ニュースTV)
韓国の対日貿易赤字は国交正常化後、50年以上続いている=(聯合ニュースTV)
【世宗聯合ニュース】韓国は日本との国交正常化後、50年以上にわたり対日貿易収支赤字から脱したことがない。専門家は、これまで韓国が日本の部品・素材の技術力に頼ったまま半導体・ディスプレー産業などを育て、日本への依存度が依然として高い状況だと指摘している。問題解消に向けては国産化と輸入先の多角化が必要だが、短期間での解決は難しい見通しだ。  韓国貿易協会と関税庁の統計によると、1965年から2018年の韓国の対日貿易赤字の累計は6046億ドル(約65兆6590億円)だった。 韓日は1965年に請求権協定を締結し国交を正常化させ、初めて貿易を始めた。当時の対日貿易赤字は1億3000万ドル。 その後、韓国の急激な経済成長とともに赤字額も増え始め、1974年は12億4000万ドルとなり、1994年は118億7000万ドルに跳ね上がった。2010年に361億2000万ドルまで増えたこともあった。その後、赤字額はやや縮小したが依然200億ドル台にとどまっている。 韓国の昨年の貿易赤字を輸入先別にみると、日本が240億8000万ドルで最も大きく、サウジアラビア(223億8000万ドル)、カタール(157億7000万ドル)、クウェート(115億4000万ドル)などの順だった。日本を除いては韓国が依存せざるを得ない原油輸出国だ。 産油国でもない日本との貿易で赤字が続いているのは技術的問題があるため。韓国はこれまで素材・部品の技術力を日本に依存したまま、半導体・ディスプレー産業の規模を拡大してきた。 日本政府が対韓輸出規制を強化した3品目のうち、フッ化ポリイミド、レジスト(感光材)は世界の供給量の90%、エッチングガス(フッ化水素)は70%が日本で製造されている。 一方、韓国が黒字を記録している品目は鉱物性燃料(31億9000万ドル)、天然真珠・貴金属(5億6000万ドル)、魚類・甲殻類(3億7000万ドル)など、いくらでも代替が可能な分野だ。 対外経済政策研究院のキム・ギュパン先進経済室長は「これまで韓国は米国や日本の資本と技術に依存し経済成長を遂げてきたが、日本の技術に依存した産業構造の弱点が明るみになった状況だ」と指摘した。2010年代に自動車部品の分野では成果を出したが素材分野では依然として日本の技術に追いつけずにいると説明した。 慢性的な対日貿易赤字から抜け出す方策は結局、技術力の強化を通じた部品・素材の国産化と輸入先の多角化に帰結する。与党・共に民主党、政府、青瓦台(大統領府)は半導体素材部品産業に毎年1兆ウォンずつ集中投資を行うと明らかにした。 韓国政府は日本による輸出規制が強化された3品目をはじめ海外依存度が高い中核的な部品・素材・装備の積極的な国産化に向けた方策を今月中に発表する計画だ。 韓国の輸出先多角化は日本の業界も最も懸念している部分だ。 2010年に中国が尖閣諸島を巡る紛争で日本へのレアアース(希土類)輸出を規制した。当時、レアアースの対中依存度が90%に達した日本はオーストラリア、ベトナム、カザフスタンなどでレアアース開発権を確保し、依存度を50%以下に下げた。 この日本の例のように、韓国が日本に代わる仕入れ先を確保した場合、日本の部品・素材業界にとって痛手になる可能性もある。 ただ、日本のレベルの技術力を確保するには長期間を要する。延世大経済学科のソン・テユン教授は「資金を投入して解決される問題だったなら以前に解決されただろう。人員や技術習得の問題があるため、長期的な課題としてみるべきだ」と指摘した。
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