演説する文大統領=14日、ストックホルム(聯合ニュース)
演説する文大統領=14日、ストックホルム(聯合ニュース)
【ストックホルム聯合ニュース】スウェーデンを国賓訪問中の文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領は14日(現地時間)、スウェーデン議会で「朝鮮半島の非核化と平和のための信頼」をテーマに演説した。文大統領は「平和は平和な方法でのみ実現することができる。それが対話」と述べ、「北の平和を守るのは核兵器ではなく対話」と強調した。 また「これは韓国も同じこと。南北間の平和を守るのは、究極的には軍事力ではなく対話」と指摘。南北がそれぞれ「南北国民間の信頼」「対話に対する信頼」「国際社会の信頼」の三つの信頼を持つべきと提示した。 文大統領は直前の訪問国ノルウェーのオスロ大で12日に開かれたフォーラムでも、朝鮮半島の平和をテーマに演説し、信頼と対話の重要性を強調した。これはベトナム・ハノイで開かれた2回目の米朝首脳会談が物別れに終わってから、米朝対話が膠着(こうちゃく)状態に陥った根本的な原因は、信頼と対話の不足にあるという認識に基づく指摘と受け止められる。 またトランプ米大統領が融和姿勢を示しているにもかかわらず、対話の進展に前向きな姿勢を見せない北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)に対し、認識を改めるよう促したとみることもできる。 文大統領は「互いの体制は尊重され、保証されなければならない」とし、「それが平和のための第一の変わることのない前提」と指摘。「北が対話の道を歩むのであれば、世界の誰も北の体制と安全を脅かすことはない」としながら、「北は対話を通じた問題解決を信頼し、対話相手を信頼しなければならない」と呼びかけた。 これは南北がそれぞれ異なる体制を認め、平和を追求しなければならないという意味だが、米国も北朝鮮の体制を保証する姿勢を積極的に示すよう求める狙いがあるとみることもできる。北朝鮮が対話の道を進むのであれば体制を保証するという韓米の意思を示唆したものと受け止められる。 文大統領は「信頼は相互にするべきで、それが対話の前提だ。韓国の国民も北との対話を信頼しなければならない」とし、「対話を信じない人が平和を遅らせ、対話だけが平和に至る道であることを南北が信じなければならない」と強調した。 また「北は完全な核放棄と平和体制構築の意思を国際社会に実質的に示さなければならない」と指摘した。文大統領は「国際社会の信頼を得るまで2国間、多国間対話を選ばず、国際社会との対話を継続しなければならない」とした上で、「もう一方では南北が合意した交流・協力事業の履行を通じ、内側からの平和を作って証明しなければならない」と呼びかけた。 その上で「国際社会は北が本当に努力すればこれに対してすぐに答えるだろう」とし、「制裁解除はもちろん北の安全も国際的に保証するだろう」と語った。 一方で、スウェーデンについて、核兵器を開発する技術があったにもかかわらず、核兵器の保有を放棄したとし、「新たな戦争の脅威への対処として核武装よりも平和的な軍縮を提示して実践した」と紹介。その上で、「スウェーデンの今日を作った力は信頼」とし、世界が「平和による繁栄」を選択するという信頼だったと強調した。 文大統領は朝鮮半島に暖かい季節が近づいているとしながら、「われわれは国際社会の信頼を破らないために、いつもまっすぐに朝鮮半島の平和に向かって歩いていく」と力を込めた。
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