韓国銀行の李柱烈総裁(資料写真)=(聯合ニュース)
韓国銀行の李柱烈総裁(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国銀行(中央銀行)の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁は12日、同行創立69周年記念のあいさつで、今後の金融政策の方向性について「経済状況の変化に応じて適切に対応していく」と述べた。先月までは政策金利について「利下げを検討すべき状況でない」「利下げで対応する状況ではまだない」と言及していたが、新たに「状況の変化に応じた適切な対応」との表現を用いたことから、状況の悪化、つまり景気回復が鈍い場合は金利を引き下げ、景気刺激に乗り出す可能性を示唆したといえる。 李氏は「米中貿易摩擦が激化し、世界貿易が萎縮する可能性が高まった」「半導体景気の回復が予想より遅れる素地もある」と指摘。これら対外要因の「不確実性が高まっている」としながら、先行きと影響を綿密に点検する必要があるとの認識を示した。 以前は、下半期以降に主要国で需要が回復し、半導体景気も回復すると見込んでいた。だがこの日は、「対外環境が大きく変わった」とし、さらに「成長経路の不確実性は一層増大したと判断される」と述べた。韓国経済が特定産業中心の輸出に大きく依存している点も、懸念材料に挙げた。 「成長の不確実性増大」という診断は、今年の経済成長率予測を引き下げる可能性をほのめかすものだ。現在は2.5%と予測しており、新たな見通しは来月18日に発表される。予測を下方修正すれば予想以上の景気不振を認めることになり、状況次第で利下げを検討するという意味合いも含まれそうだ。 韓国銀行が利下げに踏み切るとすれば、7~9月期よりは10~12月期のほうが有力とみられる。
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