4月11日(米東部時間)にホワイトハウスで会談する文大統領(左)とトランプ大統領(資料写真)=(聯合ニュース)
4月11日(米東部時間)にホワイトハウスで会談する文大統領(左)とトランプ大統領(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】トランプ米大統領が来月28~29日に大阪で開催される主要20カ国・地域(G20)首脳会議への出席に合わせて韓国を訪問し、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と首脳会談を行う。両首脳の会談は4月11日(米東部時間)に米ワシントンで開かれて以来。米朝の非核化交渉が膠着(こうちゃく)状態に陥っている中、韓米の首脳は「対話のモメンタム(勢い)」を取り戻すための外交に努めることになり、これに対する北朝鮮の反応が注目される。

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 6月の韓米首脳会談を機に、南北間の対話に活気が戻り南北首脳会談につながれば、米朝対話にも弾みがつくという期待交じりの見方も出ている。

 来月の首脳会談開催は、4月11日の韓米首脳会談の際に話し合われたとみられる。韓米の両首脳は南北首脳会談の推進など北朝鮮に対する外交的プロセスを点検する意味で6月末の会談に合意した可能性が高いというのが、外交筋の見方だ。

 この2か月、米朝、南北間には外交的な進展が特にない。むしろ、北朝鮮の最近のミサイル発射などで朝鮮半島の緊張が高まり、対話に向けた環境と雰囲気は悪化したといえる。

 さらに米政府が対北朝鮮制裁違反の疑いで北朝鮮の貨物船を差し押さえたことに対し、北朝鮮は今月14日、非難の談話を発表。米朝の対立が先鋭化しかねない様相だ。

 それでも、こうした一連の悪材料は北朝鮮核交渉の局面を根本から揺るがすことにならないという見方が優勢だ。米国は北朝鮮からの貨物船返還要求に対し直接的な対応を控えるなど、論戦拡大を警戒し、非核化対話の再開に向けた状況管理に注力する様子だ。

 文大統領もこのほど、北朝鮮のミサイル発射に関し、かつては発射後に虚勢や誇示が見られたが、今回は「対話の局面を壊すまいとする姿もみられる」と述べた。

 韓国政府の北朝鮮への人道的な食糧支援に対し、米国が支持の姿勢を示したこともプラス要素だ。

 こうした状況を踏まえ、文大統領はトランプ氏との次の会談で、神経戦の中でも対話を途絶えさせないようにしている米朝首脳を再び非核化交渉のテーブルに着かせることに努力を傾けると予想される。

 鍵を握るのは、米朝が非核化ロードマップ(行程表)を巡る溝をどう狭めていけるかだ。米ホワイトハウスは青瓦台(韓国大統領府)と同じタイミングでトランプ氏の訪韓計画を発表した際、韓米首脳は最終的かつ完全に検証された北朝鮮の非核化(FFVD)実現に向けた取り組みについて緊密に調整を続けると説明した。

 文大統領は先ごろ、「米国は北の完全な非核化を望み、北は完全な安全保証を求めている」と述べ、こうした最終目標に韓国も合意済みと強調した。文大統領としては、3者とも異論のない非核化と北朝鮮の安全保証という目標を達成するため、ロードマップを巡る米朝間の溝を埋めることが重要な課題となる。

 韓米首脳会談までの1か月余りの間に、南北間の対話が行われるかどうかが関心を集める。韓米首脳会談の開催は、文大統領が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)に交渉テーブルに戻るよう働き掛ける外交的なチャンスと見なすことができる。

 4月の韓米首脳会談で文大統領はトランプ氏から金委員長宛てのメッセージを受け取った。青瓦台は文大統領と金委員長による4回目の南北首脳会談が開かれれば、このメッセージを伝達できるだろうと説明している。

 膠着状態の米朝非核化対話を再開するには、まず南北首脳会談で金委員長がトランプ氏からのメッセージを受け取り、米国の心積もりを正確に知る必要がある。文大統領は北朝鮮に南北首脳会談の開催を積極的に呼びかけたい考えだ。同会談で南北首脳が非核化の方法に対し直接意見を交わすことができれば、トップダウンの米朝非核化対話の再開にもつながる可能性がある。

トランプ氏が6月末ごろ韓国を訪れ、文大統領と会談する予定だ=(聯合ニュース)[



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