韓米は3月から、2019年以降の協定締結に向け交渉してきた。6月の4回目協議で握手を交わす双方の首席代表(資料写真)=(聯合ニュース)
韓米は3月から、2019年以降の協定締結に向け交渉してきた。6月の4回目協議で握手を交わす双方の首席代表(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】トランプ米政権は海外での米軍駐留経費負担に関する原則の全面的な見直しを進めており、こうした背景から先ごろ韓国に対し、在韓米軍の駐留経費負担(思いやり予算)に関する次期協定の有効期間を2019年の1年間にするよう提案していたことが28日、分かった。

 在韓米軍の駐留経費負担に関する現行の協定は今月末が期限で、韓米は2019年以降の協定締結を目指して交渉してきた。消息筋によると、今月11~13日にソウルで開催された第10回協議で、米国は焦点の一つだった協定の有効期間を1年にしようと提案した。トランプ大統領の指示で駐留経費負担の新たな原則を策定しており、有効期間を1年にして来年この新原則に基づき改めて交渉したいという趣旨の説明だったとされる。

 これまでの協定が5年間有効だったことを踏まえると、米国が1年を主張するのは極めて異例といえる。米国は韓国や日本、北大西洋条約機構(NATO)とそれぞれ結んだ協定を見直して、駐留国の負担を最大限増やし米国の利益を最大限引き上げる方向で交渉戦略を練っていると受け止められる。実際にトランプ氏は連日のように、同盟国の負担が足りないとの不満をあらわにしている。

 こうした状況から、韓米間の次期協定締結に向けた交渉は難航が予想される。双方は今年3月から交渉を重ねた結果、もう一つの焦点である韓国の負担金総額に対する隔たりを狭め、今月の10回目の協議で妥結を試みたが実現しなかった。交渉は実務レベルで進展したものの、米首脳部が大幅増額の要求を譲らず、事実上振り出しに戻ったとされる。次の協議の日程すら決まっていない。

 米国は韓国の負担額を現在の50%増となる年12億ドル(約1330億円)程度に引き上げるよう要求しているようだ。米国が1年間の協定に固執する場合、韓国はこれを受け入れる代わりに負担額の引き上げ幅で譲歩を引き出す方向で交渉が展開されるとの見方も一部で出ている。だが、1年の協定が結ばれれば、韓国は来年また次の協定締結に向けた交渉に臨まなければならない。また、米国は来年、日本、NATOともそれぞれ交渉する予定で、これらが韓米の交渉に影響を及ぼす可能性がある。

 韓国国会予算政策処が2013年にまとめた米軍の駐留経費負担に関する報告書によると、12年の負担額は日本が韓国の5倍に上る一方、ドイツは韓国より少ない。ただ、対国内総生産(GDP)比でみると、韓国は0.068%で日本(0.064%)と同程度だ。ドイツ(0.016%)は韓日を下回る。

 在韓米軍地位協定(SOFA)は韓国が施設と敷地を無償で米国に提供し、米国は在韓米軍の維持に必要な全ての経費を負担すると定めている。ただ、両国は在韓米軍駐留経費負担に関する特別協定(SMA)を締結し、1990年代以降は米国が負担すべき在韓米軍維持費用の一部を韓国が負担してきた。韓国側の負担金は在韓米軍で勤務する韓国人の人件費、米軍基地内の施設建設費、軍需支援費などの名目で使用されている。今月31日に期限を迎える現行の協定による今年の韓国の負担額は約9602億ウォン(約950億円)で、駐留経費全体の半分程度に上るとされる。


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