金正恩氏(左)とトランプ氏(コラージュ)=(聯合ニュース)
金正恩氏(左)とトランプ氏(コラージュ)=(聯合ニュース)
【ワシントン、ソウル聯合ニュース】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)がトランプ米大統領に対し、寧辺にある核施設の検証を認める意思があるとの非公開メッセージを伝えたことが27日、分かった。 北朝鮮核施設の象徴ともいえる寧辺の核施設は北朝鮮が2009年に国際原子力機関(IAEA)の査察官を追放してから国際社会による監視の外にあり、検証が実現すれば北朝鮮の非核化に及ぼす意味が大きい。 金委員長は9月に平壌で行われた南北首脳会談で文在寅(ムン・ジェイン)大統領にこのような意思を明らかにし、文大統領は同月ニューヨークで開かれた韓米首脳会談でトランプ大統領に金委員長の意思を伝えたという。 朝米(米朝)の交渉に詳しい外交消息筋は聯合ニュースの取材に対し、「平壌での首脳会談で、金委員長は文大統領に対し、米国の相応の措置によっては寧辺の核施設の廃棄だけでなく検証を認める用意もあると話した」と伝えた。 寧辺の核施設に対する査察の意味を持つ検証を受け入れるという意向を北朝鮮が表明したことはこれまでなかった。  文大統領と金委員長が9月に平壌で行った首脳会談で署名した「平壌共同宣言」では、東倉里のミサイルエンジン実験場を関係機関の立ち会いの下で永久的に廃棄するとの内容が盛り込まれたが、寧辺の核施設については、米国が相応の措置を取れば永久的な廃棄などの措置をとるとの内容にとどまった。 寧辺の核施設の査察は朝米の非核化交渉で米国が強く提起してきた要求事項であることから、実現すれば交渉を急速に進展させる材料になるとみられる。 また北朝鮮が約束した豊渓里と東倉里に続き、寧辺の核施設まで査察が行われることになれば、査察団の北朝鮮内常駐を意味することになる。米国の査察官が北朝鮮内に常駐することになれば、平壌に米国の連絡事務所を設置する議論に自然とつながると専門家はみている。  北朝鮮は寧辺の核施設の廃棄に対する相応の措置として、朝鮮戦争の終戦宣言だけでなく、制裁緩和を要求しているとされる。
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