南北は7月に、朝鮮半島西側で南北を結ぶ鉄道の北朝鮮区間の状況を調べた(資料写真)=(聯合ニュース)
南北は7月に、朝鮮半島西側で南北を結ぶ鉄道の北朝鮮区間の状況を調べた(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国政府が28日公開した2019年度(1~12月)予算案は、南北協力基金として18年度より14.3%多い1兆1400億ウォン(約1140億円)を計上した。今年4月27日に南北首脳が署名した板門店宣言の履行に備えるもので、中でも北朝鮮の鉄道と道路の近代化をはじめとする南北経済協力事業に、前年比1600億ウォン増となる5044億ウォンの協力基金を充てた。朝鮮戦争などで生き別れになった韓国と北朝鮮の離散家族の交流拡大に備えた予算も大幅増額した。 外交分野では文在寅(ムン・ジェイン)政権が重点的に取り組む「新南方政策」と「新北方政策」を支えるための関連予算を増やした。◇南北協力基金増額 板門店宣言に従い経済分野に重点 19年度の統一部予算案は、一般会計が2184億ウォン、南北協力基金が1兆1400億ウォンの総額1兆3188億ウォンとなる。南北協力基金は16年度以来、3年ぶりに1兆ウォン台を回復した。 板門店宣言に盛り込まれた北朝鮮の鉄道と道路の近代化など南北経済協力事業を中心に増額した。同事業の関連予算は5044億ウォンと、前年比46%増えた。南北の鉄道と道路の連結とそのための北朝鮮側区間の近代化に向け、現在点検・調査が進んでいる。来年には北朝鮮側区間の改修・補修が本格化するとみて、設計監理費や工事の資材装備購入費などを協力基金から支給する。ただ、統一部当局者は「対北制裁にかかわりのある事業は今後の北朝鮮非核化協議の進展状況により環境が整ってから推進する計画」としており、来年予算が執行されるかは不透明だ。 協力基金には北朝鮮の荒廃した山林を復旧させるための育苗場の近代化、山林病害虫の防除に関連した経費も計上された。 また、南北の離散家族の交流拡大に向けた協力基金も、今年度の120億ウォンから来年度は336億ウォンに増額された。6回の再会行事と3回の故郷訪問の実施を想定した。再会行事の会場である北朝鮮・金剛山の離散家族面会所の全面的な改修工事予算も含めた。 キョレマル(民族語)大辞典の共同編さんなど社会・文化交流拡大に向けた協力基金が205億ウォンに増えたほか、非武装地帯(DMZ)生態・平和安全保障観光地区開発費として110億ウォンが策定された。その一方で、北朝鮮への食糧支援を今年の30万トンから来年は10万トンに縮小する計画に伴い、関連基金が1321億ウォン減額した。◇外交は新南方・新北方政策支援を強化 19年度の外交分野の予算案は18年度比6.4%増の3兆7246億ウォンで編成された。東南アジアや南アジアとの協力拡大を図る新南方政策、ユーラシアとの経済協力と発展を目指す新北方政策を後押しするため、東南アジア諸国連合(ASEAN)やロシアといった関係国との幅広い分野での交流・協力事業に対し支援を強化する。 韓国・ASEAN協力基金は154億ウォン、韓ロ科学技術協力センター構築予算は14億ウォンと、それぞれ増額する。友好的な外交の環境づくりを目的に、民間部門の公共外交力を強化する予算も158億ウォンに増やした。 また、政府開発援助(ODA)の19年度予算は、前年比5.8%の3兆1294億ウォンとなる。ODA規模を拡大するとともに官庁間の融合プログラムを推進し、事業効果の引き上げに努める。
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