韓米の軍当局が合同演習の中止を決めた(コラージュ)=(聯合ニュースTV)
韓米の軍当局が合同演習の中止を決めた(コラージュ)=(聯合ニュースTV)
【ソウル聯合ニュース】韓米軍当局は19日、8月に予定していた韓米両軍による定例の合同指揮所演習「乙支フリーダムガーディアン」(UFG)を中止すると発表した。北朝鮮の安全保障への懸念を解消すると同時に、非核化履行に向けた措置を促すため、演習の「一時中止(suspend)」を決めた。これは米国にとっては、「敵国」の北朝鮮が強く要求してきた敵対行動の撤回を一時的に受け入れたという意味も持つ。

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 一方で、演習の一時中止は、態度によってはいつでも演習を再開できるとして北朝鮮に圧力をかける意味も含まれているとみられる。

 こうした状況で、北朝鮮が韓米の決定に見合う措置を取れば、北朝鮮の非核化と体制保証を軸とする朝米(米朝)高官の今後の交渉に追い風となりそうだ。韓国政府の関係者は、合同軍事演習は韓米同盟を維持する中心軸の一つだとし、「演習の一時中止は簡単な決定ではないため、北も非核化の履行に向けた相応の措置を取るべきだ」と指摘した。

 韓米両軍は北朝鮮の軍事的脅威に対抗し、定例的な合同演習を行っている。朝鮮半島での全面戦争を想定した合同演習はUFG、指揮所演習「キー・リゾルブ」、野外機動訓練「フォールイーグル」の三つだ。これとは別に軍別、部隊別の合同演習も実施している。

 三つの演習のうち、UFGとキー・リゾルブは指揮系統のコンピューターシミュレーションが中心となる。フォールイーグルには米本土や米領グアム、沖縄などの在日米軍基地から兵力が動員され、不定期に米軍の戦略兵器も投入される。

 北朝鮮は原子力空母や原子力潜水艦、戦略爆撃機などの戦略兵器の展開に極めて敏感な反応をみせてきた。韓米がこうした戦略兵器で「北朝鮮侵略戦争演習」を行っているというのが北朝鮮の主張だ。

 UFGの中止決定は、トランプ米大統領が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)との12日の首脳会談後、北朝鮮と対話している間の韓米演習中断に言及したことを受けた措置。これを踏まえると、非核化の履行に向けた朝米の対話が続く場合、UFGだけでなく毎年春ごろ実施するキー・リゾルブとフォールイーグルもいったん中止となる可能性が高いとの見方もある。

 韓米軍当局は、北朝鮮が合同演習の中止に相応する措置として大陸間弾道ミサイル(ICBM)エンジンの実験場などを廃棄する可能性に注目している。情報当局の関係者は「北が相応の措置を取ると予想し、北の主要戦略施設を注視している」と伝えた。


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