像を取り囲んで警戒を続ける警察=30日、釜山(聯合ニュース)
像を取り囲んで警戒を続ける警察=30日、釜山(聯合ニュース)
【釜山聯合ニュース】日本による植民地時代に朝鮮半島から強制徴用された労働者を象徴する像が韓国・釜山の日本総領事館近くの歩道に置かれている問題で、像を領事館前に設置しようとする市民団体側とそれを阻止しようとする警察が再び衝突する懸念が高まっている。 同像を巡っては、歩道を管轄する釜山市東区が31日午後に像を強制撤去する方針を示しており、像の周辺は30日現在、像を囲む警察側と強制撤去に反発して座り込みを行う市民団体により緊張感が漂っている。 市民団体側は突然の強制撤去に備え、徹夜で座り込みを続ける構えだ。 東区が30日午後に発表した資料などによると、強制撤去は31日午後2時から実施される。警察が像の周辺を囲み、東区関係者がリフトを使って像を移すという。強制撤去は東区と釜山市の職員約40人により実行される予定だ。 市民団体側はこの日午前に東区庁前で記者会見を行い、像の撤去に公務員を動員しないよう要求し、公務員を動員すれば断固たる対応を取ると警告した。 警察は東区の要請により、警官隊を配備して像の周辺を取り囲む方針だ。東区が強制撤去を実施すれば、それを防ごうとする市民団体側と警察の衝突は避けられない見通しだ。 東区関係者は「政府の方針により日本総領事館の前に像を置くのは不可能」とし、「市民団体が引き取る場所を決めなければ、第3の安全な場所に像を持っていくしかない」と話した。 韓国政府や釜山市、東区は、同市内にある「国立日帝強制動員歴史館」への設置を勧告していることから、強制撤去された像は同歴史館に運ばれることが予想される。 歴史館側は「政府方針であり、臨時保管なので像を受け入れる」とし、「臨時保管場所として多くの人が見ることができる歴史館1階のロビーを検討している」と説明した。 一方、市民団体側は像の建立趣旨に合わないとして、歴史館への設置を拒否しており、像が歴史館に移されても行政側と市民団体側の衝突は当分続く見通しだ。 市民団体の関係者は「政府と地方自治体は違う場所に像を設置しろと要求しているが、像の設置は日本に真の謝罪と賠償を促すためであり、市民が常に近くにいることができる日本総領事館前の(旧日本軍の慰安婦被害者を象徴する)少女像の隣に設置する方針を守る」と強調した。
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