金正恩氏(左)とトランプ氏(コラージュ)=(聯合ニュース)
金正恩氏(左)とトランプ氏(コラージュ)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮が、5月に開催予定の米朝首脳会談で非核化問題について議論する意向があるとの立場を米国に直接伝えたことに対し、韓国青瓦台(大統領府)関係者は9日、「朝鮮半島非核化」という目標の達成に向け一歩前進したと期待感を示した。 南北首脳会談の準備に比べて進展状況が見えなかった米朝間の接触が確認されたことにより、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の構想通りに非核化へのプロセスが進むと判断したものだ。  青瓦台関係者はこの日、聯合ニュースの取材に対し「北米(米朝)実務接触で北が首脳会談のテーブルに非核化問題を載せて議論する意志を明らかにしたことは、われわれが期待した手順通りに進んでいるとみることが可能だ」とし、接触が直接行われていること自体は韓国政府として歓迎すべきことだと述べた。 これに先立ち米メディアは8日(現地時間)、政府高官の話として「北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長がトランプ大統領と朝鮮半島非核化問題について進んで議論する意向があることを、米国が再確認した」と報じた。 これは米朝が実務的な秘密接触を進めているとの報道からさらに踏み込んだニュースで、金委員長とトランプ大統領が非核化を議題に話し合う可能性が高まったことを期待させる内容だ。 青瓦台では、南北首脳会談と合わせて米朝首脳会談の実現に心血を注いできた文大統領の非核化への方策が徐々に現実化している点を高く評価する雰囲気だ。 米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)に対北朝鮮強硬派のボルトン元国連大使が就任するなどの懸念事項とは無関係に、米朝首脳会談が対面する条件が整ったためだ。 北朝鮮が米国に非核化問題について議論する用意があるとの意思を明らかにしたことで、文大統領と韓国政府の負担が減るとの見方もある。 青瓦台関係者は「北米首脳会談に至るまでの過程で韓国政府が(会談)場所を決めるなどの話が出たが、そうではなく(米朝)両者が直接実務接触を行うことは肯定的(にとらえられる)」と説明した。 米朝首脳会談の当事者が直接接触することで不必要な干渉を最小化すると同時に、青瓦台と韓国政府は残り20日を切った南北首脳会談の準備にまい進できる環境づくりができたことになる。 米朝の両首脳が予定通りに対面すれば、南北首脳会談で北朝鮮の核廃棄履行の意思を引き出し、続く米朝首脳会談で核廃棄、対北朝鮮制裁の解除、平和協定などを完了させるという文大統領の構想もさらに現実味が増しそうだ。 ただ、米朝が実務接触を行っている事実が米朝首脳会談の開催成功を保証するものではないだけに、さらに慎重なアプローチが求められるとの声も出ている。 海外メディアも、会談場所のほか非核化の概念やプロセスなどを巡って米朝間で意見の食い違いが予想されるなど、まだ課題が残っていると判断している。 米紙ウォールストリート・ジャーナルは「北朝鮮が提出する非核化のタイムテーブルがトランプ政権が受け入れられるレベルより長期に及ぶかもしれず、さらに在韓米軍撤退など軍事体制の脅威となる要素の除去を前提とする可能性がある」とし、「核の検証作業の障害になりかねない」と分析した。 青瓦台も突発的な事態に備えて米朝間の実務接触の結果を米国と共有するなど、状況を注視していると伝えられた。
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