10日、ムハンマド皇太子(右)と握手を交わす任氏(青瓦台提供)=(聯合ニュース)
10日、ムハンマド皇太子(右)と握手を交わす任氏(青瓦台提供)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の秘書室長を務める任鍾ソク(イム・ジョンソク)氏が大統領特使としてアラブ首長国連邦(UAE)を訪問したことを巡る疑惑が深まっている。野党と一部のメディアは「文政権の脱原発政策に対するUAEの不満を解消するため」などと指摘し、真相を明らかにするよう求めている。 任氏は今月9日から4日間の日程で、大統領特使としてUAEとレバノンを訪問した。青瓦台(大統領府)は当初、任氏の派遣について、両国に派遣されている韓国軍の部隊を訪れて兵士らを激励し、アブダビ首長国のムハンマド皇太子らと面会するためと説明していた。 だが、韓国電力などがアブダビに建設中のバラカ原発を巡り、UAE側が文政権の脱原発政策に抗議し、韓国による原発建設と運営に疑問を示したと報じられた。また、バラカ原発の完成が韓国側のミスで遅れることになり、最大2兆ウォン(約2100億円)の補償金を支払うことになったとの報道も出た。 青瓦台関係者は19日、「UAEで進められている原発事業に問題はない」と説明。20日には青瓦台高官が「前政権でUAEとの関係が疎遠になったと聞いた」として、「UAEと緊密な関係を維持するため(任氏の訪問が)進められた」と釈明した。さらに、26日には韓秉道(ハン・ビョンド)政務首席秘書官が疑惑を否定した上で、戦略的なパートナー関係強化を図るため、UAE側に文大統領の親書を伝えたと明らかにした。 最大野党「自由韓国党」は青瓦台が真実を隠蔽(いんぺい)していると主張。国会による国政調査を求める記者会見を26日に開くなど、攻勢を強めている。 韓国電力公社など韓国企業コンソーシアムは2009年、UAEから原発4基の建設事業を受注した。韓国初の海外原発事業で、20年の完成を目指している。1号機が18年初めに完成する予定だ。
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