主要国・地域の金融政策が大きな外的要因となりそうだ(イメージ)=(聯合ニュース)
主要国・地域の金融政策が大きな外的要因となりそうだ(イメージ)=(聯合ニュース)
【世宗聯合ニュース】来年の韓国経済に影響を及ぼすとみられる外部要因について、韓国の主要経済シンクタンクは金融引き締めの動きを最も警戒していることが分かった。聯合ニュースのアンケートに応じた6機関のうち5機関が、米国の利上げなど、異例の金融緩和から正常化に向かおうとする主要国の政策に注目している。 米国は今年、3回の利上げを通じ主要政策金利を年1.25~1.50%まで引き上げた。来年も3回程度の利上げが予想される。欧州中央銀行(ECB)も債券買い入れを来年から減らすことで量的緩和を事実上縮小する方針だ。主要国・地域がどれほどのペースで金融引き締めを進めるかによって、国際金融市場の変化の幅も変わってくるとみられる。 韓国金融研究院の辛星煥(シン・ソンファン)院長は、今後は主要国の金融政策の正常化により、世界景気の流れに及ぼすマイナスの影響が拡大しかねないと懸念した。 現代経済研究院の李東根(イ・ドングン)院長も「米国の量的緩和後、世界的に低金利となり、新興国への資本流入が拡大したが、金融政策の正常化の動きにより資本流出が発生する懸念がある」と指摘した。ただ、韓国の場合は健全性が良好と見なされており、他の新興国に比べるとリスク発生の可能性は小さいとの見方を示した。 原油価格の動向も注目すべき要素とされる。産業研究院の兪炳圭(ユ・ビョンギュ)院長は「原油価格高騰の可能性は小さいという見解が優勢だが、中東の情勢不安が高まれば価格の変動の幅が拡大する可能性がある」とした。 李院長(現代経済研究院)は「原油価格の上昇が消費や投資にマイナスの影響を及ぼし、韓国の景気に下振れ圧力として作用しかねない」と指摘。具体的に原油価格が1バレル当たり60ドル(約6800円)に上昇する場合、韓国の実質国内総生産(GDP)が0.22%、80ドルまで上がれば0.96%、それぞれ押し下げられると試算した。 また、韓国経済が輸出に頼りすぎており、米国の保護主義の広がりが韓国の景気に及ぼす影響も少なくないという意見が上がった。辛院長(韓国金融研究院)は韓米自由貿易協定(FTA)改定に向けた交渉について、過去の事例に照らすと交渉には時間がかかるが、政治、外交面を考慮して早期に妥結する可能性も念頭に置くべきだとした。その場合は韓国の輸出入に影響する。 韓国の最大の貿易先である中国の経済成長鈍化も懸念される。李院長(現代経済研究院)は「中国の経済成長率が1ポイント低下すれば韓国の成長率は0.5ポイント下がる」と予想した。 このほか、北朝鮮核問題や韓中関係など地政学的なリスク、現在好況の半導体の価格急落や中国の追い上げによる韓国の主力輸出品目の競争力低下なども不安材料に挙げられた。
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