【ソウル聯合ニュース】慰安婦問題への旧日本軍の関与を認めて謝罪した河野談話(1993年)の主役、河野洋平元衆院議長の長男である河野太郎氏が外相に起用されたことを受け、韓国との関係に与える影響が注目される。 この談話のため、河野元衆院議長は国際的には良心的な政治家として知られているが、国内の右翼勢力からは「売国奴」などとの批判を受けている。 河野太郎氏は慰安婦問題について積極的に見解を表明していなかったが、首相が太平洋戦争のA級戦犯が合祀(ごうし)された靖国神社を参拝することに否定的な見方を示すなど、自民党内ではハト派とされる。超党派の日韓議員連盟でも活動してきた。 韓国の外交筋らは河野太郎氏を外相に起用した安倍晋三首相の決定は両国関係とは大きな関係がないとみている。相次ぐスキャンダルで支持率が危険水域に入る中、改革イメージを持つ河野太郎氏を重要閣僚に登用することで支持率の上昇と政権の安定を図る人事として受け止められている。 また、安倍内閣は慰安婦の強制連行を否定し続けてきたため、慰安婦問題では身動きが取れないとの見方が多い。 ただ、首相の靖国神社参拝に異論を唱えた歴史認識や慰安婦問題を巡る日本政府の責任を認めた父親からの影響などは今後、両国の慰安婦問題を巡る議論で肯定的に作用するとの期待はある。 慰安婦問題を巡る2015年末の韓日合意の履行だけを繰り返し主張し、ソウルの日本大使館前に設置されている慰安婦被害者を象徴する少女像の移転を強く求めている日本政府の態度に変化があるかどうかも関心を集める。 今月6~7日にはフィリピン・マニラで東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)が開かれる予定で、ARFに合わせた両国の外相会談が調整されている。韓国政府は慰安婦合意の検証に着手したばかりで、合意の行方に関する具体的な議論が行われる可能性は低いが、被害者の人権の重要性などについて共感を得られるかが注目される。
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