シンポジウムの様子=29日、ソウル(聯合ニュース)
シンポジウムの様子=29日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国国家基幹ニュース通信社、聯合ニュースが統一部と共催する「2017朝鮮半島統一シンポジウム」が29日、ソウルのロッテホテルで開催された。 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は青瓦台(大統領府)の田炳憲(チョン・ビョンホン)政務首席秘書官が代読した祝辞で「平和統一の原則の下、北のどのような軍事挑発も容認しない強い安保、徹底した危機管理と堅固な韓米同盟が必要だ」とし、北朝鮮の核の廃棄に向けた努力を続けて朝鮮半島に平和が定着する基盤を固めたいとの考えを述べた。 李洛淵(イ・ナクヨン)首相は祝辞を通じ、北朝鮮との対話の可能性を放棄してはならないとして、「いつかは変化と開放の大きな一歩を踏み出せるよう、(交渉に向けた)速度を賢く調整しながら最善の対応をしなければならない」との認識を示した。 統一部の千海成(チョン・ヘソン)次官は基調演説で「南北間の対話チャンネルを復元し、協力を再開していかなければならない」と強調した。「政府は対北制裁の枠を毀損(きそん)しない範囲内で民間交流を柔軟に推進しており、ゆくゆくは民間交流の持続性を保障し、自立性を増進したい」として離散家族の再会、平昌冬季五輪への北朝鮮選手団参加などについて言及した。 また、千次官は「政府は北の核問題を根源的に解決するために、果敢で実用的な接近を模索する」とし、政府が国際社会と共に北朝鮮を説得し、対話と交渉に導いて完全な核放棄を推進する考えを示した。 聯合ニュースの朴魯晃(パク・ノファン)社長は、開会の辞で「われわれは朝鮮半島の平和に向けた強い情熱と緻密な戦略で、直面する危機の克服はもちろん、平和統一に向けた糸口をつかむという時代的使命を負っている」とし、新政権が南北間対話と協力の推進力を作り出すことに期待を表した。 「新政権の発足と朝鮮半島平和統一ビジョン」をテーマに開かれた今回のシンポジウムには、李首相をはじめとする政府当局者や韓国を代表する知識人、丁世均(チョン・セギュン)国会議長や各党幹部など約400人が出席した。 シンポジウムは▼新政権の外交・安保・対北朝鮮政策の推進方向▼朝鮮半島の平和と北朝鮮の変化誘導戦略▼北東アジアの安保環境変化と大韓民国の選択――の三つのセッションで構成された。 第1セッション「新政権の外交・安保・対北朝鮮政策の推進方向」では、北朝鮮核問題の解決や南北関係の回復といった難題を解いていくための文政権の政策方向が提示された。 延世大のチェ・ジョンゴン教授(政治外交学)が「文在寅政権の安保観と堂々たる協力外交」をテーマに、新政権の外交政策を紹介した。チェ教授は大統領選で文大統領の外交安保ブレーンとして中心的な役割を担った。 続いて、国防大軍事戦略学部の韓庸燮(ハン・ヨンソプ)教授と金南中(キム・ナムジュン)統一部統一政策室長がそれぞれ文政権の国防・安保政策と統一・対北朝鮮政策を説明した。 第2セッションでは、国家安保戦略研究院のイ・スヒョン責任研究委員が「北朝鮮核問題の実態および解決方向」について発表し、申鳳吉(シン・ボンギル)元駐ヨルダン大使が「北東アジアの新たな平和地図構想」をテーマに講演した。 また、仁済大統一学部の金錬鉄(キム・ヨンチョル)教授は「最近の北朝鮮情勢の診断と変化の展望」をテーマに、金正恩(キム・ジョンウン)体制下の北朝鮮を変化させるための方策を提案した。 第3セッション「北東アジアの安保環境変化と大韓民国の選択」はパネル討論形式で進められた。 民間シンクタンク、峨山政策研究院の崔剛(チェ・ガン)副院長の司会で、李鍾ソク(イ・ジョンソク)元統一部長官、尹徳敏(ユン・ドクミン)前国立外交院長、東国大・北韓学研究所の高有煥(コ・ユファン)所長が踏み込んだ討論を行った。
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