インタビューに応じる李是衡理事長=6日、ソウル(聯合ニュース)
インタビューに応じる李是衡理事長=6日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】広報や文化交流により海外の世論に働き掛ける広報外交を担う韓国の政府系機関、韓国国際交流財団(KF)の李是衡(イ・シヒョン)理事長は6日に聯合ニュースとのインタビューに応じ、米国のトランプ政権発足や韓国政局の急変により朝鮮半島情勢が激動する今年は、韓国にとって「ソフトパワー」を強化するチャンスだとし、「広報外交の能力を向上させ『コリア』のブランド価値を高めていきたい」と述べた。  トランプ政権下で韓国に有利な状況をつくるためワシントンの保守系シンクタンクとの対話を強化するほか、米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の韓国配備に反対する中国との関係改善に努める姿勢も示した。 外交官として35年のキャリアを持つ李氏は、昨年5月にKFの理事長に就任した。以下は李氏との一問一答。――米国でトランプ政権が発足する。広報外交の環境はどう変わるか。「国際秩序は激変しそうだ。トランプ氏の就任により、米国は従来の通念では予測し難い政策を取るだろう。韓国の政局も揺れている。外交環境の変化は特に米国、日本、中国などと緊密に交流するKFにとっても新たなチャレンジとなるはずだ」――今年の重点事業にもこうした点を考慮したか。「海外での韓国学の振興、グローバルネットワークの拡大、文化芸術交流というKFの三つの柱をまんべんなく強化するつもりだ。中でも、特にワシントンに注目したい。トランプ政権の輪郭が徐々に見えてきているため、KFも広報外交の専門機関としてヘリテージ財団など保守系シンクタンクと積極的に接触するつもりだ。トランプ政権では、韓米自由貿易協定(FTA)など両国の経済協力に及ぶ変化にも備える必要がある。3月にはロサンゼルスでフォーラムを開き、韓米の通商・経済協力の現状を見極め、シリコンバレーの情報通信技術(ICT)インフラを基に(人工知能などの)第4次産業革命をけん引していくためのアイデアを模索したい」――韓中関係が冷え込んでいる。KFにできることは。「中国へ出張すると、韓流が制約を受けていることを何となく感じる。対中関係の改善を目指し、今年は中国に特化した事業を新たに推進する。北京との直接的な交流が難しければ、まず上海や広州などで打開策を探りたい。フォーラムの開催、文化交流など具体策は検討中だ」――就任から8カ月たった。国民が期待するKFの役割は。「KFは一言で言えば『1.5トラック』を走っている。政府が1トラック、民間が2トラックだとすれば、KFは双方とのバランスを見極めながら広報外交を展開せねばならない。政府に従属しすぎていると受け止められれば相手国との親密な交流が難しくなるし、大衆の反響を得ることばかりに執着すれば広報外交という本分を見失いかねない」
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