北朝鮮・朝鮮労働党の金正恩委員長(上段中央)と幹部(資料写真)=(聯合ニュース)
北朝鮮・朝鮮労働党の金正恩委員長(上段中央)と幹部(資料写真)=(聯合ニュース)
【ワシントン聯合ニュース】米政府が先月初めに北朝鮮の深刻な人権侵害の実態に関する総合的な報告書を発表したのに続き、海外で労働を強いられる北朝鮮の出稼ぎ労働者を取り上げた報告書をこのほどまとめた。 米国で2月に成立した北朝鮮に対する独自の制裁強化法は、国務長官が北朝鮮の海外労働者の労働実態や人権擁護策を盛り込んだ報告書を一定期間内に議会に提出するよう定めている。これに基づき国務省は先週末、報告書を上下両院の外交委員会に提出した。 報告書は北朝鮮脱出住民(脱北者)を強制送還した国を具体的に記した。中国のほか、ラオスをはじめとする東南アジア諸国が挙げられた。北朝鮮労働者が現在働きに出ている国としては、中国やロシア、カンボジア、ベトナム、ポーランド、マルタ、アラブ首長国連邦、クウェートなど約20カ国を挙げた。北朝鮮の政府、またはこれに代わり労働者を雇用する個人と契約を結んだ国のリストもある。 報告書は強制労働や人身売買、強制送還など北朝鮮の人権侵害の実態に関する定期的な報告や対策作りに向け協力国や同盟国と取り組んでいくとした。二国間、多国間の外交的な戦略や、北朝鮮の人権問題にかかわる機関やメディアを通じたキャンペーンの展開も盛り込んだ。 国務省はこの報告書を踏まえ、北朝鮮だけでなく、北朝鮮の人権侵害を事実上手助けしたと見なすことができる中国やロシアなどに対する圧力の強化に乗り出すようだ。特に北朝鮮労働者の滞在国リストは、この先北朝鮮への資金流入を断つ上で効果的に活用されることになる。米政府は北朝鮮労働者が稼いだ外貨が金正恩(キム・ジョンウン)政権の統治資金のほか、一部は核とミサイル開発に投じられているとみている。
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