北朝鮮の朝鮮中央テレビが公開したSLBM(資料写真)=(聯合ニュース)
北朝鮮の朝鮮中央テレビが公開したSLBM(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国国防部は29日、国会国防委員会に提出した懸案資料で、「今後、北は潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の実戦配備に向け注力する」とした上で「信頼度を検証するための追加発射や潜水艦作戦能力の点検などを行い、戦力化までには1~3年程度かかると予想される」と報告した。 また、中距離弾道ミサイル「ムスダン」の事例を踏まえると、北朝鮮は今の状態でも作戦配備を完了したと主張する可能性があるとした。 北朝鮮が4月23日にSLBMを発射した直後、韓国軍は北朝鮮がSLBMを早ければ2~3年以内に実戦配備すると予想していた。 今月24日に北朝鮮がSLBM発射に成功したことで実戦配備の予想時期が早まった。 同部は北朝鮮の今回のSLBM発射について「(東部の)咸鏡南道・新浦付近の沖合から発射、最高高度は500キロ以上、射程は約500キロで、発射に成功したもようだ」と評した。 さらに、北朝鮮はひそかに機動できる潜水艦に弾道ミサイルを搭載し射程延伸を狙っているとして、韓国の直接的な脅威であり米本土までも脅かすと分析した。 同部は北朝鮮が2000年代初めに金正日(キム・ジョンイル)総書記の指示でSLBM開発に着手し、金正恩(キム・ジョンウン)体制になってから集中的に発射実験を実施したとみている。 また、同部はSLBM開発段階の順序を「地上試射―水中試射―初期飛行―発射実験―戦力化」とし、北朝鮮は2014年以降、20回以上の地上・水中試射と飛行実験を通じSLBMの開発を続けていると分析した。 同部は強まる北朝鮮のSLBM脅威に対抗し、韓米両国のミサイル防衛システムの相互運用性を強化するとともに韓国軍の対潜水艦作戦能力レベルを高めると強調した。 同部はSLBMを搭載した北朝鮮の潜水艦に対し、基地滞在や発進の段階で「キルチェーン」を含む韓米連合戦力で攻撃するとしながら、北朝鮮がSLBMを発射した段階では韓米探知資産でミサイルを捉え、韓国型ミサイル防衛(KAMD)などの連合ミサイル防衛システムで迎撃すると説明した。 併せて、SLBMを発射段階で捉える弾道弾早期警報レーダーを1基導入するほか、パトリオットミサイルの性能改良や中長距離地対空ミサイルの開発を加速化させ、米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の在韓米軍への配備を迅速に進めるとした。 ただ、同部は原子力潜水艦の導入計画を懸案報告に盛り込まなかった。 韓国では、軍事専門家だけでなく政界にも北朝鮮のSLBMの脅威に備え、原子力潜水艦を導入すべきだとする主張が広がっている。 同部の文尚均(ムン・サンギュン)報道官はこの日の定例記者会見で、与党などから原子力潜水艦の建造を求める声が上がっていることに関する質問を受け、「今の状況への懸念から出た発言だと理解している。現段階で原子力潜水艦の問題について決定した事項はない」と答えた。
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