発言する朴大統領=22日、ソウル(聯合ニュース)
発言する朴大統領=22日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が22日に青瓦台(大統領府)で開かれた国家安全保障会議(NSC)と閣議で、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権について「体制動揺の可能性が高まっている」と述べたことに関し、その背景に関心が集まっている。 韓国と米国の合同軍事演習「乙支フリーダムガーディアン」(UFG)が朝鮮半島で始まった同日、朴大統領は会議で「深刻な亀裂の兆し」という表現まで用い北朝鮮の体制について言及した。 在英北朝鮮大使館のテ・ヨンホ公使の脱北が明らかになる中での発言は、国際社会の制裁や圧力にもかかわらず核・ミサイル開発を進めている北朝鮮は持続可能な体制ではないという朴大統領の認識が反映されたものだ。 朴大統領はこれまで「国際社会の警告を無視し挑発を続ければ北は自ら崩壊を招く」という立場を強調してきた。 この日も「自ら変わらなければ自滅するということを確実に認識させなければならない」と繰り返し警告した。 今年1月の北朝鮮の4回目核実験以降、本格化している対北朝鮮制裁が効果をあげ北朝鮮が追い詰められているという評価を踏まえての発言と受け止められている。 また、金正恩・朝鮮労働党委員長の恐怖政治により北朝鮮住民の忠誠心が弱まっている状況も、朴大統領が北朝鮮の亀裂に言及した背景にあるとされる。 さらに、朴大統領の今回の言及はエリート層や北朝鮮住民の脱北の増加に伴い、北朝鮮が体制強化に向けテロや挑発を行う可能性が高まっていることを説明するための発言だとする見方もある。 併せて、テ公使以外にも北朝鮮高官の脱北の事例があるのではないかとする観測も出ている。 これについて青瓦台関係者は「朴大統領の発言は北の体制の脆弱性を指摘しテロなどの挑発の可能性が高まっていることに言及したものだ」と説明した。
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