尹長官(左)と岸田外相(資料写真)=(聯合ニュース)
尹長官(左)と岸田外相(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国外交部の趙俊赫(チョ・ジュンヒョク)報道官は16日の定例会見で、旧日本軍の慰安婦被害者支援のための「和解・癒やし財団」に日本政府が拠出する10億円について、賠償金なのかどうかを問われ、「岸田文雄外相が昨年12月に表明した日本政府の責任、謝罪と反省の立場を実質的に裏付ける履行措置」だと答えた。 また、10億円は「被害者の名誉と尊厳を取り戻し、心の傷を癒やすための措置という点にその意義があり、(両国の昨年12月の)合意文以上でも、以下でもない」とも述べた。 趙報道官の発言は、賠償金かどうかについて明確な返答を避けながらも、「事実上の賠償金」という韓国政府の認識を遠回しに繰り返し表明したものと受け止められる。日本側が「賠償金ではない」との立場を取っていることから、両国間のあつれきを深めないよう明言を避けたともみられている。 趙報道官は10億円の拠出時期について、日本国内での手続きがいるため特定できないとしながらも「(財団の)円滑な事業実施に支障の出ない時点に拠出されるものと期待している」と述べた。 岸田外相は12日に尹炳世(ユン・ビョンセ)韓国外交部長官と電話会談し、国内の手続きが終わり次第、政府予算10億円を速やかに拠出すると伝えた。韓国の外交関係者らは、今月中にも拠出されると見込んでいる。 一方、10億円の使途について趙報道官は「まだ決まっておらず、財団が決定するものと承知している」と述べるにとどめた。 和解・癒やし財団は17日ごろ理事会を開き、先の韓日外交当局による局長級協議と両国外相の電話会談を踏まえて被害者への現金支援の比重や財団の事業方向などを話し合うとされる。
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