安保理の北朝鮮非難声明見送り　「中国は責任ある役割を」＝韓国

【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の中距離弾道ミサイル「ノドン」の発射を受けた国連安全保障理事会の声明発表が見送られたことについて、韓国の外交部当局者は１０日、「非常に残念に思う」と述べた。　同当局者は「北は弾道ミサイルを発射するなど、安保理決議違反を繰り返しているが、一部の理事国が異論を唱え、最近安保理が一致した対応を取れていない」と説明した。「一部の理事国」は安保理声明に米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル（ＴＨＡＡＤ、サード）」の在韓米軍への配備に反対する文言を盛り込もうとした中国を意味するとみられる。　同当局者は中国がＴＨＡＡＤ配備に反発していることについて、「北の核とミサイルに対応するための自衛的な防衛措置を問題視することは本末転倒」と指摘。「根本的な原因である北の核とミサイルに対し、安保理決議に基づいてさらに厳しく対応しなければならない」と強調した。　また、「中国は安保理常任理事国として、（今年３月に）安保理決議第２２７０号（北朝鮮制裁決議）が全会一致で採択されることに賛同し、これまで安保理決議を誠実に履行するとの立場を重ねて示してきた」として、「安保理常任理事国として、責任ある役割を果たすことを期待する」と述べた。　米国は北朝鮮の３日の「ノドン」発射を非難する報道機関向け声明の草案を安保理理事国に配布したが、中国が「本国で検討中」などとして採択の手続きを延長するよう再三要請。手続きは７～８回延長されたという。　中国は８日（米東部時間）、事実上ＴＨＡＡＤのことを示唆する「北東アジアに新しい弾道迎撃ミサイル拠点を置いてはならない」との文言を加えるよう要求。米国が拒否し、声明の採択は見送られたという。　別の韓国外交部の当局者は記者団に対し、「中国は（米国の草案に）すぐには反対意思を表明しなかった」と説明。「中国もこの問題について苦心したようだ」との見方を示した。　ＴＨＡＡＤの在韓米軍への配備に反対しているロシアは声明の草案に対し、修正案を示すなどの動きは見せなかったという。