韓中関係のイメージ=(聯合ニュースTV)
韓中関係のイメージ=(聯合ニュースTV)
【ソウル聯合ニュース】米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の韓国配備決定に中国が反発を強めるなか、韓国に対する中国の「報復」とも取れる動きがあちこちでみられている。 一定期間内に複数回使用できる中国への数次商用ビザ(査証)の取得が困難になったことが最も代表的だ。中国当局はこのほど、韓国人の商用ビザ取得に必要な招へい状の発給を代行していた中国内の業者の指定を取り消した。 これまではこの代行業者から招へい状をもらい、比較的簡単に数次商用ビザを取得することができたが、今後は中国内のパートナー企業などに招へい状を直接発給してもらう必要がある。 また、中国国営メディアを中心に韓流を規制または締め出すべきとの声も強まっている。中国で活動している韓国の男性グループSNUPER(スヌーパー)、ガールズグループWassup(ワサップ)、韓中同時放送中の韓国ドラマ「むやみに切なく」に主演するガールズグループmiss A(ミスエー)のスジとキム・ウビンのファンミーティングなどが急きょキャンセルまたは延期となった。 米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは4日(現地時間)、朝鮮半島へのTHAAD配備決定に対する報復として、中国が韓流スターによる中国内でのイベントを封じていると伝えた。 中国は国営メディアを動員してTHAAD配備を批判する世論をあおり、韓国に対する報復を後押ししたり警告したりする論調の報道を続けている。中国共産党機関紙・人民日報は先ごろ、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領を名指しして配備決定を強く批判した。 専門家らは、配備に反発した中国の報復が始まりつつあり、この先さまざまな形で報復が強まるとみている。 韓国シンクタンク、国家安保戦略研究院のパク・ビョングァン東北アジア研究室長は5日、聯合ニュースの取材に対し、「中国は自らのタイムテーブルと計画に従い次第に(報復)措置の段階を上げ、これにより韓国内でのTHAADをめぐる世論分裂を狙うだろう」と話した。 韓国政府は、THAADの配備は北朝鮮の核・ミサイル脅威に対する自衛のためという立場を繰り返し強調し、報復ともみられる中国の措置には直接的な反応を控えている。中国が意図を明確にしていない中で表立った対応を取れば、事態を不必要に悪化させかねないと判断しているようだ。 韓国外交部の趙俊赫(チョ・ジュンヒョク)報道官は4日、中国の報復説または報復の可能性について「関連動向を注視している」などと述べるにとどめ、人民日報による朴大統領の名指し批判にも「いちいちコメントする必要を感じない」とした。
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