【ソウル聯合ニュース】大韓貿易投資振興公社(KOTRA)が韓国を含む世界33カ国・地域の投資環境を比較し分析した調査結果を公開した。 同報告書は外国人の直接投資に影響を及ぼすとされる要素を▼市場環境(人口数・所得・市場規模)▼経営環境(税率・法人規制・労働生産性)▼投資政策(インセンティブ・行政)――の三つのカテゴリーに分類し、各国の状況を評価した。 各項目の評価は世界銀行、世界経済フォーラム(WEF)、スイスの有力ビジネス教育・研究機関のIMDなど信頼のおける機関の指標を利用して行われた。◇市場環境と経営環境はおおむね良好 報告書によると、韓国市場の市場環境と経営環境はおおむね外国人投資家にとって良好だ。 韓国の1人当たり購買力平価GDPは3万6520ドル(約370万円)でフランスの3万9874ドルや日本の3万8068ドルと肩を並べる。韓国人の購買力が高いことを意味するため、投資をするための理由になる。 最近4年間の経済成長率も優れている。2012~2015年の韓国のGDP実質成長率は2.36%で、米国(1.38%)、日本(1.05%)、英国(1.44%)など、停滞している先進国に比べ良好だった。 地域統合性は欧州連合(EU)で結びついている欧州各国には及ばなかったものの、積極的な自由貿易協定(FTA)の締結など通じ、開発途上国よりも優位にあることが分かった。 経営環境はさらに評価が高い。韓国は世界銀行の企業活動評価で83.88点(100点満点)を記録し、33カ国・地域のうちシンガポール(87.34点)に次ぐ2位となった。米国(82.15点)や日本(74.72点)、中国(62.83点)を上回った。 韓国は法人設立や建築許認可など企業活動に必要な行政手続きの処理速度が速く、韓国特有の速さを好む文化が高評価につながった。 企業に課せられる税率が低水準であることも評価された。企業の総利益に税金が占める割合は33.2%で、先進国のカナダ(21.1%)、アイルランド(25.9%)、英国(32.0%)に次いで低かった。中国(67.8%)やブラジル(69.2%)など、新興市場に比べても半分程度にすぎなかった。 報告書は「韓国は全般的に良好なビジネス環境を外国人投資家に提供している」とした上で、「低い実質税率と迅速な行政処理、優秀なインフラは外国企業が韓国で経営活動をする際にかかる実質的な費用を下げる」と評価した。◇市場成長性・投資政策は不十分 報告書は投資市場として韓国が不十分な分野は投資政策分野であると指摘した。 韓国は近ごろ積極的に投資協定国を増やしているが、欧州に比べれば締結された投資協定数が少ない。投資協定は該当国の投資家の保護と直結しており、投資協定数が少ないのは外国人が投資を避ける決定的理由になる可能性がある。 韓国が2カ国間投資協定を締結した国は85カ国で、通商協定を締結した国は16カ国だ。開発途上国の中では中国の(110カ国・18カ国)に次いで多かったが、先進国と比べ低い水準だ。 投資規制水準は韓国が0.135点で33カ国・地域中10位だった。 外国人投資のインセンティブ魅力度は5.71点で米国(7.03点)、英国(7.02点)などに大きく離された。 良好と評価された経営環境と市場環境でも改善すべき点が指摘された。経営環境に影響を及ぼす政策の透明度と知的財産権保護のレベルが相対的に低かった。 韓国の政策透明度は3.25点(10点満点)で33カ国・地域中、下から6番目だった。先進国で韓国より政策透明度が低い国はイタリア(3.10点)だけだった。 知的財産権の保護は韓国が6.33点で米国(8.29点)、英国(8.20点)、日本(6.80点)よりも低かった。 また低い人口増加率は市場環境の評価を下げる要因になった。報告書は「ロシアやブラジルを除く開発途上国はGDPと人口の両面で急速に成長している」とした上で、「低い人口増加率は市場の成長の展望に否定的な影響を及ぼす」と指摘した。
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