「ムスダン」=(聯合ニュース)
「ムスダン」=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮が約1カ月の間に中距離弾道ミサイル「ムスダン」を4発発射し、いずれも失敗したとみられることについて、米国のミサイル専門家がムスダンの開発中止を意味する可能性があるとの見方を示した。 航空宇宙エンジニアのジョン・シリング氏は1日(現地時間)、米ジョンズ・ホプキンズ大の北朝鮮分析サイト「38ノース」に寄稿した分析記事で、北朝鮮がミサイルの発射実験に失敗した場合、通常は数カ月から1年をかけて失敗の原因を分析し修正した後、あらためて発射実験を行ってきた慣行を踏まえると、今回の状況は極めて異例だと強調した。 こうした状況に至った理由についてシリング氏は、発射実験の失敗でメンツがつぶれた北朝鮮指導部がいらだちを募らせ、ムスダンの戦略的効用が弱まる中、ムスダンの価値を立証しようとした開発実務チームが焦った可能性を指摘した。 また、シリング氏はムスダンについて、「米グアムを核や生物化学兵器で攻撃することを唯一の目的にしている」と説明。その上で、財源に限りがある状況で、さまざまなロケットやミサイルの開発が進められる中、問題の多いムスダンの開発に資金を投入する価値はないと北朝鮮指導部が判断した可能性があると予想した。 北朝鮮指導部はグアム攻撃に向けた兵器開発を進めており、ムスダンの開発を中断し、より多用途の「KN8」や「KN4」ミサイル、あるいは潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の開発に移った可能性もある。 グアムは米国が北朝鮮に軍事行動を行う場合、主要な後方支援基地となる。 米本土を攻撃できる大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発に成功していない北朝鮮にとって、グアムは唯一、米国を攻撃できる標的となる。ムスダンの射程は3000キロ以上とされ、グアムまで到達可能だ。 シリング氏は北朝鮮が今のように失敗の原因を分析、改善するための十分な時間的余裕を持たず発射実験を続けても失敗することは目に見えているとした。 また、北朝鮮がムスダンの開発を続ける意向があれば、最低3カ月から1年以上、地上実験を行わなければ発射実験はできないとした。 さらに、北朝鮮が2003年に初めてムスダンを公開した後、今年4月に実施した初の発射実験まで実験を行わなかったのは、旧ソ連の技術者による設計とエンジン性能に対する自信があったからだろうと指摘した。
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