金第1書記(資料写真)=(聯合ニュース)
金第1書記(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の故金正日(キム・ジョンイル)総書記は後継者に指名されてから約20年後の1994年に権力を継承した一方、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は後継者に選ばれて3年目に金総書記の突然の死により、権力を受け継いだ。 後継者教育をまともに受けられなかったことに加え、金総書記に比べて経験やカリスマが足りない20代後半の若い金第1書記は権力を安定させるために、早急に最高権力者の座に登る必要があった。 金総書記は1994年に金日成(キム・イルソン)主席が死亡してから、1997年に党の総書記に、1998年に国防委員会の委員長に就任。権力継承に4年かかった。金第1書記は金総書記の死の2週間後に朝鮮人民軍の最高司令官となり、翌年4月には党第1書記と国防委第1委員長に就任し、わずか4カ月で表面上の権力継承を終えた。  金第1書記はその後、北朝鮮の実力者を粛清するいわゆる「恐怖統治」により、自らの権力を強固にする作業に着手した。初めの標的は金総書記の死後、軍部の実力者として人民軍総参謀長を務めていた李英鎬(リ・ヨンホ)氏だった。金第1書記は2012年7月に李氏を解任した。金第1書記の軍統制強化の過程で非協力的な態度を取ったことが背景にあるとされる。 2013年12月には叔母の夫であり金総書記の死後、ナンバー2の地位にあった張成沢(チャン・ソンテク)元国防副委員長を処刑した。今年4月には玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)人民武力部長(韓国の国防部長官に相当)が裁判の手続きが行われることなく、処刑された。先月初めには最側近の崔竜海(チェ・リョンヘ)朝鮮労働党書記が地方の協同農場に追放されるなど、金第1書記による恐怖統治は続いている。 国策シンクタンク・国家安保戦略研究院は金第1書記が権力を継承してからの4年間に処刑された北朝鮮の幹部は100人あまりに達するとみている。 北朝鮮専門家らは、幹部の処刑や解任などにより、金第1書記が4年間で権力基盤を安定的と固めたと評価している。韓国・北韓大学院大の梁茂進(ヤン・ムジン)教授は「金第1書記の後継体制強化の過程を見ると、期間がとても短い。権力を掌握するには時間が必要だが短期間にするために粛清の政治を行った」と指摘。その上で、「恐怖政治と人民親和政治の並行で体制の安定を導いた」と説明した。 専門家らは4年間で世代交代も自然に行われていると分析している。韓国・東国大北朝鮮学科の金榕炫(キム・ヨンヒョン)教授は「北の権力層内部の変化の中で、最も目につくのはチョ・ヨンウォン朝鮮労働党副部長など、40~50代の新しい世代の登場」と指摘した。また「これまでの4年間、党と内閣、軍で中間幹部の80%程度に対する世代交代がなされた」とした上で、「今後、党副部長級以上の70%程度が世代交代されるものとみられる」と予想した。 しかし、恐怖統治は金第1書記の指導力が疑われるほか、支持基盤が弱まることから、金第1書記が来年5月に36年ぶりに開催される朝鮮労働党の第7回大会を前に、恐怖政治を緩和するとの見方も出ている。梁教授は「これまでの4年間の粛清、恐怖政治は少し減るだろう」と予想する一方で、粛清は完全にはなくならないと強調した。 yugiri@yna.co.kr
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