【ソウル聯合ニュース】独フォルクスワーゲン(VW)によるディーゼル車の排ガス試験の不正問題を受け、環境対応車(エコカー)の電気自動車(EV)に関心が集まろうとしている。韓国のバッテリーメーカー、LG化学とサムスンSDIのEV用の中・大型バッテリー事業にも追い風になると予想される。 韓国の有進投資証券は最近の報告書で、排ガス規制を逃れるため不正なソフトウエアが搭載されたVWのディーゼル車が世界で1100万台に上るとされ、関連調査が米国以外の国へ広がる可能性が高いとしながら、「クリーンディーゼル車の環境への優しさ対する疑念が広がり、EVが際立つという結果をもたらすだろう」と指摘した。 VWの不正問題発覚後、サムスンSDIの株価は上昇した。韓国のEV用バッテリーメーカーへの期待感が株価を押し上げたとみられる。 現在、韓国メーカーは世界の小型バッテリー市場をリードしている。調査会社のB3によると、4~6月期の小型バッテリー市場でサムスンSDIは25.0%、LG化学は18.4%とシェア1~2位を占める。 一方、EV用バッテリーは日本メーカーが優勢だ。調査会社EVオブセッションは昨年のパナソニックのシェアを39.7%、日産自動車とNECの合弁会社オートモーティブエナジーサプライ(AESC)のシェアを23.6%とする。韓国勢はLG化学が12.9%、サムスンSDIが4.6%だ。ただ、パナソニックとAESCは主要供給先が決まっていることから、完成車メーカーとしては技術と価格競争力を兼ね備えた韓国のバッテリーメーカーに自然と目を向けることになる。中国勢の場合は技術力がまだ十分ではない。 日産自動車とルノーの最高経営責任者(CEO)を兼務するカルロス・ゴーン氏は最近、「現在、世界最高のバッテリーメーカーはLG化学だ」とし、ルノーだけでなく日産もLG化学のバッテリーを搭載することになると発言した。 LG化学はゼネラル・モーターズ(GM)やフォード・モーター、ルノー、アウディ、ボルボ、現代自動車と起亜自動車、上海汽車など世界約20社の完成車メーカーを顧客に持つ。 サムスンSDIはBMWやアウディ、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)、マヒンドラ・アンド・マヒンドラ、フォードなどにバッテリーを供給している。VW傘下のベントレー初のプラグインハイブリッド車(PHEV)にも供給することが決まったようだ。 調査会社ラックス・リサーチはEV用バッテリーに関する最新の報告書で、ディーゼル車を主力とするドイツの完成車メーカーがEV販売を6%以上に引き上げれば、LG化学の世界シェアが40%、サムスンSDIが10%に拡大し、韓国勢のシェアが半分を占めることもあり得るとの見通しを示した。 業界関係者は今回の不正問題によりEV中心の流れが固まろうとしているとしながら、「韓国メーカーがEV用バッテリー分野でも世界首位に立つ契機になると期待される」と話した。 mgk1202@yna.co.kr
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