【ソウル聯合ニュース】韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官と米国のケリー国務長官は18日、ソウルの外交部で会談し、朝鮮半島情勢や韓米同盟について意見を交換した。両外相は会談後の共同記者会見で会談内容を公開した。会見の主な内容は次の通り。<冒頭発言> 尹長官=われわれは北が核、ミサイル、通常兵器などの手段を用いて多様な方式で行っている威嚇と挑発の深刻性だけでなく、北の最近の内部情勢の流動性と不確実性に注目した。 このような北の威嚇に対し、より効率的に対応していくため、対北政策における韓米高官レベルの協力と連合抑止力をさらに強化することを決めた。北に非核化のための戦略的選択をさせるよう、中国やロシアを含む5カ国の緊密な協力の下、さらに強力な圧迫とより積極的な説得の努力を併行して展開していくことを決めた。  ケリー長官=リッパート駐韓米大使が襲撃される恐ろしい事件後初の訪韓となった。大使の健康に対する強い支持と対応に感謝する。 われわれにとって最も大きい安全保障上の懸念事項はまさに北朝鮮だ。北朝鮮の挑発、核開発計画に対し、韓米は全く異見がない。北朝鮮は核兵器と弾道ミサイルを追求し続け、約束を破って威嚇している。  そのためにわれわれが北朝鮮に対し、さらに国際的な圧力をかけ、行動を変化させなければならない。韓米は同盟を今後も現代化させ、北朝鮮が行うあらゆる威嚇に対し、決断力ある対応を取るだろう。<一問一答>――米国は対話と交渉中心の積極的な方式で対北政策の方向を調整する計画があるか。最近、玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)人民武力部長(韓国の国防部長官に相当)氏が処刑されたとの報告があったが、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記のリーダーシップをどのように評価するか。北朝鮮の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の脅威についてどのように見ているか。 ケリー長官=北朝鮮は威嚇プログラムをさらに強化しており、無謀に国際社会や国連の制裁措置から顔を背けている。次の措置はどうなるのかについて議論している。  われわれはどの時よりも金正恩と北朝鮮を説得する方法を探さなければならない。対話のための対話をしてはいけない。北朝鮮指導部が核開発計画に対する交渉の誠実さ見せなければならないということだ。 金第1書記は合理的な方法を探そうとする手をすべて拒絶した。非常に危険な方向に進んでいるという点を制裁措置や他の手段を通じて伝え、説得するのがわれわれの今の方針だ。 ミサイルシステムや核兵器を追求し続ける行為は非常に危険な方向であり、SLBMはそのまた別の事例とみることができる。これは非常に挑発的なものであり、国連の要件や他のすべての国際基準から外れたものだ。 そしてこれは金正恩の行動と関連があるものだ。公開処刑や話にならない理由で粛清を行っている。北朝鮮は人間に対する尊厳性が世界で最もない国ということを見せている。そのため、人権問題を国際刑事裁判所(ICC)に付託する事案と見ている。 われわれは合理的な交渉についてもずっと扉を開いておく。6月までにイランとの核問題に関する交渉が最終的に妥結すれば、北朝鮮にとって良い例になるだろう。――安倍晋三首相が旧日本軍の慰安婦問題を「人身売買」と表現したことについて、適切だと考えるか。米国と日本が合意した新防衛協力指針(ガイドライン)に「第3国の主権尊重」とあるが、韓国の事前同意を得なければならないということを意味するか。 ケリー長官=韓国と日本は米国の最も重要な二つの同盟国であり、両国の建設的な関係はこの地域の平和と繁栄を図るには最も重要だ。 (米国は)歴史問題について一貫して治癒と和解の方向で対処した方が良いと話してきた。日本と韓国が協議を通じ、相互中立的で互いに受け入れられる措置を見つけることを願う。 特に性的な目的で女性を人身売買するなどといった問題は大変重要なことであり、とても無慈悲な人権侵害、残酷で恐ろしい侵害だと述べてきた。 河野元官房長官と村山元首相の謝罪は非常に重要な韓日関係を開いた。日本の指導者が「安倍政権の立場では、河野談話、村山談話を尊重する」と説明したことを米国は認識している。 米国は周辺国とより強い関係を構築するために、良い方式で過去の歴史の問題に接近するよう日本を促している。それで韓日両国が敏感な歴史問題に対し、自制心を持って対処し、対話を続け、互いに受け入れることができる解決策を見いだすことを願う。(歴史の傷を)癒すことができ、未来志向的な解決策を見いだすよう願っており、それがわれわれの政策であり目標だ。 日本との防衛協力指針は韓国と米国、日本の関係を強化するために作ったものであり、これをどこの誰も、ただ一瞬も疑ってはいけない。日本と米国が国際法に違反したり、韓国が承認しない行動を取ったりすることは絶対にないだろう。――北朝鮮に対し、具体的にどのような制裁を加える方針なのか。中国が北朝鮮に十分な圧力を加えなかったとみることはできるか。  ケリー長官=北朝鮮の行動はさらに国連安全保障理事会の監視を受けることになるだろう。ICC付託については決定が下されたものではないが、そのように進んでいる。北朝鮮の行動がさらに悪くなれば、窮極的にその方向に進むしかないという話だ。制裁措置の強化の方法は現在議論している。 重要なのは中国がかなり具体的に北朝鮮に圧力を加えるため、追加的措置を取ったことが事実であることだ。商品の流れに影響を及ぼす貿易や国境関連措置を取った。 尹長官=朴槿恵(パク・クネ)政権は発足後、歴史問題とそのほかの相互互恵的な問題や北の核問題のように戦略的な利害を共にする問題は区分して接近している。今後もツートラック政策には変更がない。 先の安倍首相訪米時には韓国国民の期待を満たしていない発言があったが、今後の良い機会に明らかな歴史認識を表明し、韓日関係が良い流れに進むことができる機会を迎えられるよう期待している。 yugiri@yna.co.kr
Copyright 2015(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0