【済州聯合ニュース】第1回済州4・3平和賞の授賞式に出席するため済州島を訪れた在日同胞の小説家の金石範(キム・ソクボム)氏は31日、聯合ニュースのインタビューに対し、「昨日午後、済州に到着してすぐに平和公園に行ってきた。このように犠牲者に対して頭を下げ、冥福を祈ることができ幸せだった」と語った。 済州島4・3事件は1948年4月に済州島で起こった島民の蜂起に伴い、軍や警察などが島民を虐殺した事件。同賞は済州島4・3事件の真相究明に貢献したり、世界平和や人権改善に寄与したりした人に贈られる。 大阪生まれの金氏が、両親の出身地である済州を訪問するのは今回が4回目。だが金氏は「済州は私の故郷」と語り、幼い時に両親とともに訪れた済州に対する愛情を示した。 金氏は57年に同事件を扱った小説「鴉の死」を発表。その後も同事件を題材とした小説で国際社会に済州島4・3事件の悲劇を伝えた。84年には長編小説「火山島」の第一部で朝日新聞社主催の大仏次郎賞、98年には第二部を加えて完結させた「火山島」で毎日新聞社主催の毎日芸術賞を受賞するなど、高く評価されている。 金氏は「4・3事件について、済州島の人たちもよく知らない時期に、日本の人が私の作品を通じて4・3事件を知り、理解を深めた」と説明。「『火山島』は分量が200字詰め原稿用紙で2万5000枚ほどになる。私の青春、一生を捧げたとも言えるが、そのような作品を完成させたのは幸せなこと」と振り返った。 執筆活動以外にも87年に「済州島4・3事件を考える会・東京」と「済州島4・3事件を考える会・大阪」の結成を主導するなど、事件の真相を究明する運動を行った。事件の際に数百人が虐殺された現在の済州国際空港での遺骨発掘を訴えたこともある。  授賞式は来月1日、済州市内のホテルで行われる。金氏は追悼式など関連行事に参加し、済州市内にある先祖の墓を訪れた後、7日に日本に戻る。 yugiri@yna.co.kr
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