報道陣に囲まれる趙顕娥氏=30日、ソウル(聯合ニュース)
報道陣に囲まれる趙顕娥氏=30日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】大韓航空機内で乗務員のナッツの出し方に激怒し、機内サービスの責任者を降ろして離陸を遅らせた事件で、同社の趙顕娥(チョ・ヒョンア)前副社長が30日、逮捕された。 ソウル西部地裁は同日、検察が航空保安法上の航空機航路変更、航空機安全運航阻害暴行と刑法上の強要、業務妨害の容疑で請求した趙氏の逮捕状を発付した。 同地裁は、証拠隠滅および強要の疑いが持たれている同社客室乗務本部の常務の逮捕状も発付した。 趙氏は逮捕状発付後の30日午後11時ごろ、待機していたソウル西部地検前で報道陣に対し目を閉じたまま「申し訳ありません」と3回述べた。趙氏と同常務はソウル南部拘置所に収容された。 検察が捜査に着手した直後に被疑者として立件した国土交通部の調査官(公務上の秘密漏えい容疑で逮捕済み)、趙氏と同常務の3人が全員逮捕され、捜査が進展しそうだ。 同事件は今月5日(米東部時間)、米ニューヨークのケネディ国際空港から仁川に向かう大韓航空機内で発生した。趙氏は乗務員のナッツの出し方に激怒し、乗務員と機内サービス責任者の事務長に暴言を吐き、暴行を加え、同機を滑走路から搭乗ゲートに引き返すよう指示した上、事務長を降ろして離陸を遅らせた疑いが持たれている。 同常務は事件発生後、社員らに対し最初の報告内容を削除するよう指示するなど証拠隠滅の疑いが持たれている。このほか、同部調査官と数十回にわたり連絡を取りながら入手した同部の調査内容を趙氏に報告し、事務長には「会社に長く勤めることなできないだろう」と脅迫した疑いも持たれている。 検察は事件当時の機内の状況はほぼ把握したが、証拠隠滅と関連し、趙氏と常務が容疑を強く否定しているため、容疑の立証に注力する方針だ。 また、同常務が事件を隠蔽(いんぺい)・縮小させることができたのは結果的に同部職員の助けがあったために可能だったとみて、癒着疑惑についても捜査を拡大する予定だ。
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