【ソウル聯合ニュース】北朝鮮が非難を繰り返していた韓米定例合同軍事演習「乙支フリーダムガーディアン」(UFG)が28日に終了したことに伴い、韓国と北朝鮮の関係改善に言及する声が一部で出ているが、南北関係の行方はまだまだ不透明だ。
 演習終了翌日の29日、北朝鮮の対韓国窓口機関「祖国平和統一委員会」は声明で「何もなかったように対話が行われると考えるのは図々しい」と韓国側をけん制した。
 北朝鮮は28日、来月19日に仁川で開幕するアジア大会への応援団派遣の取り止めも発表。盛り上がろうとしていた大会に水を差す形となった。
 これら北朝鮮側の動きを踏まえると、韓国側が提案している朴槿恵(パク・クネ)政権2回目の南北閣僚級会議が開催され、南北関係改善につながるとのシナリオの実現は容易でないといえる。
 ただ北朝鮮は韓国の対話自体を拒否しているのでなく、韓国の対北朝鮮政策の転換を導くため硬軟を織り交ぜた作戦を取っているとの見方も出ている。
 東国大学の高有煥(コ・ユファン)教授(北朝鮮学)は31日、「(韓国が提案した)高官級協議は完全に消滅したわけではない。開催にあたり、北はそれなりの立場を整えようとしている最中だと考えている」と分析した。
 韓国側は北朝鮮に対し、再度、高官級協議の提案をするなど、対話のための環境づくりに注力する方針とみられる。
 北朝鮮は今回のUFG期間中、非難を自制したほか韓国でなく米国に非難の矛先を向けた。これは韓国との関係改善を念頭に置いたものと受け止められる。
 ◇北朝鮮外相の15年ぶり訪米の意味は?
 一方、北朝鮮の外相として李洙ヨン(リ・スヨン)氏が15年ぶりに訪米する予定であることも耳目を集めている。訪米を北朝鮮が自らのメッセージを国際社会に知らせるために活用することが予想される。
 米国で米朝が公式・非公式の接触をする可能性は十分にある。11月の中間選挙を控えるオバマ政権が北朝鮮問題について、どういう形のリスク管理を取るかについてのバロメーターにもなる。
 もちろん、これまでオバマ政権が取ってきた北朝鮮に対する強硬姿勢を踏まえると、李外相の訪米が米朝関係の転換点になるのは容易ではない。
 ただ、ここで何らかの進展があれば米朝はもちろん、南北関係にも少なからぬ影響が出るとみられる。


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