【ソウル聯合ニュース】日本植民地時代に強制動員され、日本で犠牲となった韓国人被害者の遺族から現金をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた梁順任(ヤン・スンイム)太平洋戦争犠牲者遺族会会長(70)の控訴審で、ソウル高裁は29日、無罪を言い渡した一審判決を支持し、検察の控訴を棄却した。検察が上告を断念したため無罪判決が確定した。
 梁氏は60代の女性らと共に2010年3月、「対日民間請求権訴訟団」を結成し、日本側から補償金を受け取れるようにするとして会員を集め、11年までに約3万人から弁護士費用などの名目で計15億ウォン(約1億5000万円)をだまし取った罪で起訴された。
 ソウル地裁は今年2月、60代の女性に対し、「1900~30年代に生まれた人の遺族なら補償金を受け取れる」などとだまして金を受け取ったとして、懲役5年4か月の実刑判決を言い渡したが、梁氏は無罪としていた。
 高裁は「梁氏が訴訟団募集活動を手助けし、結果的に他の詐欺犯に対外的な名分を提供したとみる余地はある」としながらも、「そのことだけで詐欺の共犯とみることはできない」と判断した。また、「梁氏は訴訟を担当した弁護士に『一定の年齢の条件だけが整った犠牲者の遺族なら補償を受けられるという認識が変わらないのが問題』という趣旨の話をした」と指摘。「(遺族をだまそうとしたわけでなく)むしろ(会員)募集担当者に実際の被害者だけを対象に合法的な募集活動をするよう働きかけていた」とした。
 梁氏は無罪判決が確定したことについて、「裁判のため遺族会が3年半、活動できなかった」とし、「さまざまな活動を通じて、日本の右傾化に対応し、歴史の清算のために取り組みたい」と語った。


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