【ソウル聯合ニュース】「大会を終えて帰国したら空港で多くのカメラが待っていました。変化が続いていくのだと思います」――。
 バドミントン男子の国・地域別対抗戦トマス杯で25日、韓国バトミントン界の伝説と呼ばれる朴柱奉(パク・ジュボン)監督(49)率いる日本代表が初優勝を飾った。
 朴監督は27日、聯合ニュースのインタビューに対し「優勝のニュースが日本では速報で流れたようです。まだ人気スポーツではありませんが、実力は認められる段階にあると思います」と話した。
 インドのニューデリーで行われた男子トマス杯決勝は、日本がマレーシアを3-2で破った。日本は準決勝で大会5連覇中の中国を下し勝ち上がった。
 女子は決勝で中国に敗れたものの準優勝に輝いた。
 1992年のスペイン・バルセロナ五輪バドミントン男子ダブルス金メダル、96年の米アトランタ五輪混合ダブルス銀メダル、世界選手権で通算5回の優勝を果たした朴監督は2004年から日本代表の監督を務めている。
 日本ではまだバドミントン代表チームの存在感が薄かった時代に監督に就任し、世界の頂点に立つまでに育て上げた。
 「私が来る前までは代表チーム専属の監督もいませんでした。実業団チームを中心に運営されていたので、選手も指導者も代表に対する責任感がありませんでした。初期のころは代表チームのスケジュールに沿って選手を指導するため所属チームを説得しシステムを作っていくのが非常に大変でした」と振り返る。
 当初、国際舞台ですぐに優勝できるような実力がなかったため段階的に実力を積み重ねていったという。
 朴監督の努力は環境の変化や大会での成果につながっていった。
 現在は朴監督のほかに代表チーム専属のコーチ4人がおり、07年にはバドミントン専用体育館も建設された。
 04年のギリシャ・アテネ五輪までベスト8が最高成績だった日本は朴監督の就任以降、08年の中国・北京五輪で女子ダブルス1組がベスト4に進出し、12年の英ロンドン五輪では女子ダブルスの藤井瑞希、垣岩令佳組が史上初となる銀メダルを獲得した。
◇さらなる高みへ
 朴監督はトマス杯を振り返り「中国との準決勝戦で男子は準備過程、姿勢、集中力の全てがベストの状態だった」と選手をたたえた。
 また、決勝戦を控えマレーシア代表チームを指導した経験から自信を得ていた。
 マレーシア代表選手についてメンタル面に弱点があると指摘。「突然急激な緊張感やプレッシャーに襲われる」と説明した。決勝まではそうした姿は見られなかったが、予想通り決勝戦でその弱点が露呈したと話した。
 今年9月に仁川で開かれるアジア大会は朴監督のもう一つの挑戦のステージとなる。
 10年の中国・広州アジア大会では女子シングルで銅メダル一つを獲得するにとどまった。
 朴監督は「日本で期待が高まっているためプレッシャーも大きい」と心境を話した。
 また、「16年のブラジル・リアデジャネイロ五輪も控えているため、より大きな目標に向かって準備していきたい」と抱負を語った。

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