現場に立ち込める黒い煙
現場に立ち込める黒い煙
「『火事だ』という声があちこちから聞こえ、黒い煙が立ち込めて息ができなかった。出口を見つけることができず、叫び声があふれまさに修羅場のようだった」

 26日午前9時ごろに出火し、数十名の死傷者を出した高陽(コヤン)総合バスターミナルの建物は「阿鼻叫喚」状態だったと、事故現場から無事に脱出した市民らが明らかにした。

 地上7階、地下5階からなる高陽(コヤン)総合ターミナルは、市外バスターミナルをはじめ、大型スーパー、ショッピングセンター、映画館が入っている大衆施設。規模は2万平方メートルとなる。

 火災が発生した午前9時ごろは、バスターミナルを利用して出勤する乗客はもう少なくなっており、スーパーの営業開始直後でもあったため利用客もさほど多くなかった。

 しかし火が完全に消えるまでの20分間に死者5名と多数の被害者を出した。

 スプリンクラーが作動したが、通路に沿って黒い煙が速く建物内を覆ってしまい、被害が大きくなった。

 ターミナルなどの施設側による避難案内がまともにできていなかったことも被害を大きくした原因だ。

 特に事故当時、現場にいた大部分の人は避難に関する案内放送が聞こえなかったと話している。

 40代の主婦は「ターミナルに上がるエスカレーターで黒い煙が上がってきたので見たら、急に火が上がってきた」とし、「『走れ!逃げろ』という人々の声が聞こえて、その場に荷物を置いて子供を連れて逃げた」と事故当時の緊迫した状況を伝えた。

 また「サイレンのような音ばかり聞こえて、避難を促す案内放送は聞こえなかった」とし「急に『パン』と何かが落ちるような音がしたけど、エレベーターが落ちたかもしれない」と付け加えた。

 娘をバスに乗せるためターミナルにいた40代の女性は「1階から2階へ上がるエスカレーターで『ポッ』という音と共に火と煙が上がり、一瞬にして有毒ガスが蔓延した」と話した。

 また「ターミナルには人は多くなく、自分は非常階段から逃げた」とし「避難に関する案内放送はなかったし、火を見た人はただ声を上げるばかりだった」と説明した。

 事故当時2階にいた人は「ずっとサイレンの音が聞こえる中、スプリンクラーが作動し、シャッターが下りてくるので地獄のようだった」と現場の雰囲気を伝えた。

 火は地下1階のフードコート内への入店準備で溶接作業中に発生したと消防当局は主張している。

 煙が通路に沿って広がり、バスターミナルとショッピングセンターなどがある地上2階の化粧室と階段から主に死傷者が出ている。

 死傷者は現在、一山(イルサン)病院、一山(イルサン)東国大病院などいくつかの病院に分けて搬送した。

 病院に搬送された被害者の知人は「友人は、煙をかぶったかのように顔じゅうがまっくろだった」と説明した。その友人は現在、心配蘇生術を受けており、危険な状態だ。

 現場近くの三叉路にいた目撃者は「空が真っ黒になり、地下から地上に上がる階段から煙突のように黒い煙が出ていた」と述べた。

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