【ソウル聯合ニュース】「米国と英国は帝国主義時代の恥ずべき歴史まで教科書に記述した。日本も誤った過去をきちんと研究し明らかにすれば、韓国と中国、日本の歴史問題は解決できると思う」――。
 奈良女子大の中塚明名誉教授(84)は28日、聯合ニュースのインタビューに応じ、右傾化する日本の歴史認識を批判した。
 中塚氏は1960年代から東アジアの近現代史を研究した知韓派で、「日本の良心」の一人といわれる。日本による植民地時代の1919年、韓国で起きた「3・1独立運動」の記念日に合わせ、講演を行うため来韓した。
 同氏は日本政府の歴史認識は国際社会でも支持されていないと指摘。日本のメディア情勢で良心的な声を期待するのはさらに難しくなっているとして、日本国内の根深い右傾化傾向に懸念を示した。
 打開策としては「草の根の歴史交流」を提案した。民間交流を通じ、歴史認識を変えていくことが重要だと強調した。
 自らも民間交流に取り組んでいる。農民らが朝鮮王朝と朝鮮半島への侵略を進める日本軍に抵抗して起きた「東学農民運動(甲午農民戦争)」の激戦地を毎年訪れ、昨年は自身が所蔵する資料を全羅南道立図書館に寄贈した。
 中塚氏は3・1運動について、東アジアと世界の民族運動の起爆剤になったとして、中国で起きた1919年の抗日闘争「5・4運動」も同運動の影響を受けたと評価した。日本では3・1運動の意味や背景などについて教育を行っていないため、今の日本人は韓国人が歴史問題を提起する理由も理解できないと指摘した。
 菅義偉官房長官が初代韓国統監の伊藤博文を暗殺した独立運動家、安重根を「犯罪者」と発言したことについては、伊藤は東学農民軍の虐殺作戦に最終決定権者として深く介入した人物で、安重根の狙撃は犯罪ではないとの見方を示した。

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