【ソウル聯合ニュース】韓国で暮らす北朝鮮脱出住民(脱北者)が北朝鮮に戻るケースが相次いでおり、韓国政府が対応に苦慮している。
 北朝鮮はこれら脱北者を体制の宣伝に活用している。北朝鮮に戻った脱北者のキム・グァンホ氏夫婦が1月に韓国を非難する記者会見を開いた後、これまで同様の記者会見が5回あった。
 北朝鮮メディアが発表した事例だけで13人に上るが、実際にはそれより多くの脱北者が北朝鮮に戻ったと推定される。例えば今月15日、韓国で虚偽のマンション売買契約書を用いて多額の融資を受けた50代の脱北者が、北朝鮮に戻ろうとして韓国出国直前に警察に逮捕された。
 韓国政府は脱北者が再び北朝鮮入りする事例を注視しているものの、実態の把握は容易でない。韓国入りした脱北者が住民登録証を取得して正式に韓国国民になると、特別な犯罪容疑がない限り、北朝鮮に戻るために中国など第三国に向かうのを統制する手段がないためだ。
 脱北者が北朝鮮に戻ろうとする理由はさまざまだろうが、何より韓国定住が難しいためと指摘される。韓国政府は当初、住居費と定着金としてまとまった金額を脱北者に支給していた。しかし最近は単身世帯の脱北者の場合、700万ウォン(約69万円)の基本定着金がまず支給され、職業訓練や資格取得、就職に応じて最高2440万ウォンの奨励金を受け取る。これと別途に1300万ウォンの住居支援費がある。政府としては脱北者自らの定着努力を促す意図だが、高齢の脱北者のように定着が容易でない人は実質的に支援額が減ることになる。
 政府関係者は23日、「政府が脱北者をめぐる問題すべてを解決することはできないが、脱北者が順調に定着できるよう支援制度を補完するなどの努力を続ける」と話した。

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