【ソウル聯合ニュース】韓国政府は29日、環太平洋連携協定(TPP)交渉参加への是非を決めるため、既存の交渉参加国と事前協議に入る方針を表明した。韓国がTPPに参加する場合、農畜水産業分野への打撃は不可避との見方が優勢だ。
 米国、日本など12カ国のTPP交渉参加国と韓国の農畜水産分野の貿易額は2012年末基準で計194億ドル(約2兆円)だった。輸出は38億9000万ドル、輸入は155億ドルで116億1000万ドルの赤字となった。
 全品目の関税撤廃など高い水準の市場開放を前提にしたTPPに加わると、農畜水産分野の赤字規模がさらに膨らむのは必至だ。
 日本やカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコなど韓国と自由貿易協定(FTA)を締結していない国との割合が全体の43.5%(84億3000万ドル)を占めており、貿易収支が悪化する公算が大きい。
 オーストラリア産の牛肉など畜産物や小麦、トウモロコシ、豆など穀物類の輸入が増え、畜産農家や畑作農家は直接打撃を受ける恐れがある。
 ただ、17億8000万ドルの黒字を出した日本とFTAを締結する効果があるのは韓国の農畜水産業界に有利に働く見込みだ。FTAを締結している国もTPP交渉で追加の市場開放を要求できる。
 ソウル市内で15日に行われたTPP交渉関連の公聴会で、仁荷大の鄭仁教(チョン・インギョ)教授(経済学)は「米国がTPP交渉参加の条件として牛肉市場の追加開放、コメの関税化後の関税引き下げなどを要求する可能性がある」と指摘した。ソウル大のイム・ジョンビン教授(農経済学)は「オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、チリなどが農水産物の全面的な開放を迫ってくると思うが、きちんと対応できるか疑問」と述べた。
 農家団体もTPP交渉参加に反対する立場を明確にしている。韓国農業経営人中央連合会はTPP交渉参加に反対する声明を出し、強力に対応する方針を示した 

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