【ソウル聯合ニュース】中国が東シナ海上空に一方的に防空識別圏を設定し北東アジアの緊張が高まる中、米国家安全保障会議(NSA)のメデイロス・アジア上級部長がこのほど非公式で来韓したことが分かった。
 韓国政府高官は28日、中国の防空識別圏設定に関連し、韓米で協議しているとした上で、「先ごろソウルを訪問したメデイロス氏とも協議した」と伝えた。
 バイデン米副大統領が来週韓国を訪問するのに先立ち非公式で来韓したメデイロス氏は、青瓦台(大統領府)関係者らと面会し中国の防空識別圏設定に対する米政府の立場を説明したとされる。
 メデイロス氏は中国の一方的な設定により米中間の懸案協力や韓国と日本との同盟関係などにもマイナスの影響を及ぼすとの考えを示したもようだ。
 韓国側もやはり中国の一方的な防空識別圏設定について憂慮を表明し、韓国の南西にある離於島上空や韓国の防空識別圏の一部が中国の防空識別圏に含まれるため中国側に調整を求める方針であると伝えたとされる。
 また、韓米は中国の今回の一方的な措置が重大な問題であるという認識で一致し、今後も緊密に協議していくことで合意した。
 一方、メデイロス氏は日本の集団的自衛権行使容認についても韓国側と意見を交換したもようだ。その席で両国はこれまで協議してきた内容を基に意見交換を行った。
 韓国側は以前、米国に朝鮮半島侵略の歴史がある日本の集団的自衛権行使容認に関する国内の懸念を伝えており、米国もこうした懸念について理解を示している。
 だが、米国は集団的自衛権そのものについては日本固有の権限だとする立場を取っており、日本の集団的自衛権行使容認を支持する立場を明らかにしている。米国は日本が憲法解釈を理由に集団的自衛権を行使せず日米同盟のレベルで安保協力を行うのには限界があるとの認識を持っている。
 メデイロス氏はソウルでの協議を終え日本に出発し、日本政府とも集団的自衛権や中国の防空識別圏問題を議論する予定だ。

Copyright 2013(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0