【ソウル聯合ニュース】韓国与党セヌリ党は20日、日本の菅義偉官房長官が前日の記者会見で、初代韓国総監を務めた伊藤博文を暗殺した韓国の独立運動家、安重根(アン・ジュングン)の石碑建立が中国で進められていることと関連し、安重根を「犯罪者」と呼んだことについて強く批判した。
 菅氏は会見で、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が18日に行われた中国・楊潔チ国務委員との会談で、石碑建立が順調に進んでいると謝意を表明したことを受け、「わが国は韓国政府に対して、安重根は犯罪者であるとこれまでも伝えている」と述べた。
 菅氏の発言に対し、セヌリ党の李仁済(イ・インジェ)国会議員は「日本の官房長官が安重根義士を犯罪者と呼び、石碑に関する朴大統領の外交活動に対し非常識極まりない発言をした」と指摘。「安義士は、韓国国民に対してだけでなく人類の歴史において、犯罪を犯した日本の軍国主義に抵抗した偉大なる英雄だ」と述べた。
 その上で、「安義士は伊藤博文という個人に向けてではなく、韓国や中国などアジアを侵略した日本軍国主義の心臓に銃を放った。日本軍国主義が人類に対する巨大な犯罪を犯したというのが、人類の共通の評価で、日本はこの点を直視すべきだ」と強調した。
 宋光浩(ソン・グァンホ)国会議員は「日本は36年間続けたわが民族に対する悪辣(あくらつ)な行為を反省すらしていないが、わが民族が尊敬する安義士を犯罪者と呼ぶ程度の水準にしか及ばないのなら日本の将来は実に暗たんたるものだ」と述べた。日本が平和裏に隣国と共存するのではなく極右に傾けば、結局、日本は自ら墓穴を掘ることになりかねないと警告した。
 安重根の石碑建立は6月の韓中首脳会談で協議された。伊藤博文が暗殺された中国黒竜江省ハルビン駅での建立が進められている。

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