開城工業団地を訪れ靴メーカーの製造現場を視察する韓国国会議員ら=30日、開城(聯合ニュース)
開城工業団地を訪れ靴メーカーの製造現場を視察する韓国国会議員ら=30日、開城(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の国会外交統一委員会所属の国会議員21人は30日、国政監査の一環として南北経済協力事業の開城工業団地を視察し、同日午後4時ごろ韓国側に戻った。
 議員団は開城団地に入居している企業の工場を視察し、企業関係者や労働者との懇談会を開いたほか、団地の稼働率や操業中断による被害状況などを点検した。
 懇談会で企業関係者からは「団地の稼働率が一時80%まで上がったものの、バイヤーが離れて再び30%に落ちるなど操業が困難となっており、緊急の運営資金や特別資金などの支援が必要」との趣旨の発言があったという。委員会の安鴻俊(アン・ホンジュン)委員長(与党セヌリ党)は「団地の長期的な安定や発展のため、韓国政府はもちろん、北朝鮮も積極的に協力しなければならない」と強調した。
 同党の金栄宇(キム・ヨンウ)議員は「団地の国際化のため、南北が具体的で実質的な努力をしなければならない。投資誘致説明会を早急に開催するなど、投資誘致に向け総力を挙げるべきだ」と述べた。最大野党民主党の禹相虎(ウ・サンホ)議員は「道を開いてやれば、団地は大きく発展できる。5・24措置(対北朝鮮制裁措置)などを解除すると、国際化の段階では競争力があると思う」との考えを示した。
 2004年に南北経済協力事業として稼働を開始した開城団地は今年4月、北朝鮮が一方的に労働者を撤収させ、操業が中断した。南北当局が交渉を続け、団地は9月16日に再稼働したが、稼働率は80%に届いていない。入居企業は取引先の信用を取り戻せず、新規注文が激減している状態だ。
 議員団は京畿道坡州市の南北出入事務所を通じ午後4時ごろ韓国側に戻った。
安委員長は「現場を訪問してみて、南北経済協力の象徴である開城工業団地の発展に向けた韓国の政界の意志と努力が、政府はもちろん北側にもよく伝わっていると思った」と感想を述べた。また、「これを契機に北朝鮮当局も工業団地の発展的正常化の議論が円滑に進むように積極的な姿勢で臨んでくれるように促す」と今後の方針を述べた。 
この日の視察には金南植(キム・ナムシク)統一部次官や金基雄(キム・ギウン)南北協力地区支援団長など統一部関係者、記者団なども同行した。

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