【ワシントン聯合ニュース】韓国外交部の黄浚局(ファン・ジュングク)韓米防衛費分担交渉大使は米ワシントンで26日(現地時間)、来年から適用される在韓米軍駐留経費負担(思いやり予算)に関する新たな特別協定(SMA)の締結に向けた4回目の韓米高官級協議を終え、記者団に対し「駐留経費負担交渉と有事作戦統制権移管の再延期の問題は結び付けないというのが政府の公式見解」と明らかにした。
この発言は韓国内の一部から出ている「米国が在韓米軍駐留経費負担と有事作戦統制権移管再延期の交渉を結びつけてくる可能性がある」との観測に対する韓国政府の交渉原則をあらためて示したものだ。   
交渉に参加したある当局者は「今までの4回の高官会議で、有事作戦統制権の話は一度も出なかった」とし「韓国政府は結びつけて考えないという立場をはっきりさせている」と強調した。 
韓米両国は今回の協議で駐留経費負担問題について意見を調整したが立場の差が依然として大きかったと伝えられた。
韓国政府は特に同経費が在韓米軍基地の移転費用などに転用されてきたのが問題だと認識し、制度的に同経費が別の用途に転用されないようにする改善案を提示したことが分かった。 
しかし米国側は2004年の竜山基地移転計画(YRP)と連合土地管理計画(LPP)の合意当時、同経費を基地移転計画に関連する建設費用に使うことができるという了解があったとし、韓国政府の提案に否定的な立場を表明したと伝えられた。
米国側は正確な用途を特定せずに総額を定めておき、裁量により使用することができる「総額型」を主張したと伝えられた。 
これと関連してある当局者は「2000年代初めに米第2師団を平沢に移転する交渉を進める際、国防部が移転費用を駐留経費から転用することができると了解したのは事実」と話した。ただ、「一般的な国民の気持ちは米軍が負担すべきで韓国の税金を使うべきではないというものだと理解している」とし、今回の韓国政府の要求が制度に反映されれば、2016年に完了する基地移転に駐留経費を流用するのは難しくなると強調した。 
両国は制度改変に続き駐留経費負担額の総額についても基本的な立場を交換したが具体的な交渉は進まなかったと伝えられた。 
韓国政府は来年の同経費の負担額総額として今年と同じ水準の8695億ウォン(約799億円)前後の金額を提示したが米国側は1兆ウォン以上を要求し、著しい差があったと伝えられた。
両国は10月初旬の小人数会議を経て、10月末の妥結を目標に交渉を進める計画だが現在の雰囲気ではタイムリミットが過ぎる可能性が高いと伝えられた。
両国の政府間交渉が妥結しても国会での批准同意の手続きに少なくない時間がかかり、来年1月から予定通りに協定が発効されるかは不透明だ。 
駐留経費負担に関する協定が適正な時期に執行されず来年3~4月まで交渉がずれ込んだ場合、在韓米軍が雇用した韓国人従業員の人件費から支給が遅れる可能性が高いとされる。 
韓米両国は1991年から在韓米軍の駐留経費に関する防衛費分担特別協定を締結してきた。2009年に結ばれた第8次協定が今年で終了するため、来年以降の新たな協定を年内に締結する必要がある。

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