【ソウル聯合ニュース】韓国政府が中国人観光客を誘致するためビザ発給基準を緩和したところ、旅行客を装った中国人密入国者が大幅に増えたことが分かった。
 政府は昨年からクルーズ船で韓国に入国する観光客に対し、ビザがなくても上陸申請を受け付け、団体観光基準も5人から3人に緩和した。
 今年5月からは仁川空港や金浦空港で外国人がビザなしで乗り継ぎができる制度を施行し、また年内には中国人のマルチビザ発給対象を約3000万人増やす計画だ。マルチビザは1度発給されれば期間内に2回以上の入国が可能になる。
 今年上半期に韓国を訪れた外国人では、中国人が日本人を抜いて1位になった。1~6月に来韓した中国人観光客は174万人で、前年同期より46%増加した。
 だが、ビザ発給条件が緩和された点を悪用し、観光客を装い韓国に密入国する中国人が急増した。
 法務部によるとノービザで韓国に入国した中国人不法滞在者は、先月末基準で約1万3500人と前年同期(約1万800人)より25%増えた。
 中国人は主にブローカーを通じ団体観光客として韓国に入国した後、団体から無断で抜け出す方法で密入国している。
 中国からクルーズ船を利用し韓国に入国する中国人観光客が急増しているのに伴い、無断で団体から離脱するケースが済州島から釜山や仁川など、クルーズ船寄港地に広がっている。
 政府が力を入れて取り組んでいる医療観光客誘致制度にも隙間があるという指摘が出ている。
 医療観光ビザで入国した中国人のうち、不当滞在者は昨年の139人から今年6月末現在、521人に急増した。
 これを受け、文化体育観光部は中国人団体観光を専門に扱う旅行会社への制裁を強化する。
 26日に旅行会社を対象とした公聴会を開き9月ごろに旅行業登録制度に2年更新制を導入することをめぐり議論するなど、事実上の旅行業登録取り消し制度を適用する計画だ。
 中国専門旅行会社は今月基準で約180社あり、一部旅行社は行き過ぎた低価格観光で問題になっている。
 ある大手旅行会社関係者は、中国人が団体から無断で離脱するケースを防ぐため、旅行社の間で「ブラックリスト」を共有しているが、「無断で抜け出すケースを事前に防ぐのは容易ではない」と話した。 

Copyright 2013(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0